XMTradingは、アメリカ合衆国の居住者にサービスを提供していません。
極限の取引を。Visa Cash App Racing Bulls F1 Teamの誇り高きオフィシャルパートナー。詳細はこちら
• トランプ大統領が多くの国に対して90日間の関税一時停止を発表
• 中国からの輸入品に対する関税は更なる引き上げ
• 米株価は急騰、ナスダックは12%以上上昇
• 景気後退懸念が和らぐ中、本日の米CPI報告に注目
• 米中間の緊張でゴールドはさらに上昇、原油は反発
90日間の国別相互関税一時停止も中国にはさらなる関税を
昨日、米株価は急騰し、S&P500は2000年代後半から2010年代初頭にかけて世界市場で発生した世界金融危機以来最大の上昇を記録し、ハイテク株比率の高いナスダックは2001年以来最大の12%以上の上昇を記録しました。
この驚異的な上昇は、トランプ大統領が数十カ国に対する90日間の関税の即時一時停止を発表したことによるものでした。ただし、ほぼすべての米国への輸入品に対しては、一律10%の関税が維持されました。この一時停止は関税発動から1日も経たないうちに実施され、米国政府が多くの貿易相手国と妥協策を見出すために、交渉をする意思があるとの期待が高まっています。
とはいえ、中国に対する対応は異なっていました。世界第2位の経済大国である中国が、報復として米国製品に対する関税を84%に引き上げ、約20社に対する米国企業への制限を実施すると発表したことを受け、トランプ大統領は昨日発効した中国からの輸入品に対する104%の関税を125%に引き上げました。
90日間の関税一時停止発表が景気後退懸念を緩和させたにもかかわらず、米中貿易戦争のさらなる激化によって、最悪の事態が去ったとは言えないことを示唆しています。結局のところ、トランプ大統領が今後数日のうちに方針を変えないとは誰も断言できないでしょう。
本日の米CPI報告に注目が移る
とはいえ、今のところ、景気後退懸念が和らいだことで、インフレに焦点が戻り、本日は3月の消費者物価指数(CPI)が発表されます。総合CPIは前年比2.8%から2.5%に低下し、コアCPIは3.1%から3.0%に低下すると予想されています。とは言うものの、ISM製造業景気指数の価格指数が大幅に上昇したことで、本日の米CPI指数が上振れリスクとなる可能性があります。
本日のCPI報告が上振れサプライズとなる場合、積極的な利下げを急ぐ必要はないというFRBの見解に信憑性が増す可能性があり、この見解は、昨日公表された直近のFOMC議事要旨の中でも示されていました。FRB当局者らはトランプ大統領の貿易政策が米経済成長に与える影響を懸念しているようでしたが、関税がインフレを再燃させる可能性があるとの見方から、すぐに救済措置としての利下げに踏み切ることはないという姿勢を示しました。
トランプ大統領が90日間の国別の関税引き上げを一時停止したことを受け、投資家はFRBの利下げ観測を後退させています。今年1.0%以上の利下げを予想していた投資家は、現在0.80%の利下げを織り込んでいます。これは、FRBの最新のドットプロットで示された2回の0.25%の利下げよりも多くなっています。
このため、投資家が利下げ観測をある程度後退させる余地がまだあるかもしれません。これにより米ドルが若干上昇する可能性はありますが、その上昇が長続きするかどうかは定かではありません。結局のところ、関税の一時停止の発表から米ドルはそれほど恩恵を受けることができず、インフレ上昇の懸念から米金利の高止まりが長期化するとの見方が、米国経済の先行きに対する懸念を再燃させる可能性もあります。
ゴールドは史上最高値に接近、原油は若干の損失を回復
ゴールドは通常、市場の懸念が和らぐ局面で見られるような反応を示しませんでした。ゴールドは上昇を続けており、これはおそらく、米中貿易戦争の激化により、一部の投資家が安全資産としてのポジションを維持しようとしたためかもしれません。さらに、この対立が中国による米国債購入の削減を促し、ゴールドへの資金流入を増加させた可能性もあります。
90日間の関税一時停止は、原油価格の反発も後押ししました。ただし、原油価格の回復は米株価に比べてはるかに小さいものでした。これは、おそらく世界最大の原油輸入国である中国が依然として厳しい125%の関税を課されたままであることが影響していると考えられます。さらに、OPECプラス加盟国が予想より大幅な増産を5月に実施することで合意したことも、原油に圧力をかけています。