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・米株価指数は弱気相場入り
・相互関税に対して、中国は報復措置発表、EUも対応策について検討中
・FRBに現状打開への期待もパウエル議長は様子見姿勢維持
・ゴールド、原油価格、ビットコインは大幅損失更新
市場暴落、トランプ大統領は落ち着くように説得試みる
先週の相互関税の進展を受けて、投資家がサポートを見つけようと試みる中、リスク選好度は3取引日連続で急低下しています。自動車関税が4月3日に発動し、米国への全ての輸入品に対しての一律10%の相互関税が4月5日に発動した後、今週の水曜日には国別の追加の相互関税が発動する予定です。
トランプ大統領が相互関税等を実行したことで、今度は各国の反応を伺うことになります。中国は米国からの輸入品に対して同様な率での関税賦課で報復し、EUは自動車関税への報復措置を検討している段階です。報道によると、約50ヵ国が関税の引き下げを目的として、米国との交渉に向けて既に連絡済みとのことです。
トランプ大統領はまた、FRBに対しても利下げするように圧力をかけています。大方の予想通り、先週金曜日にトランプ大統領はFRBパウエル議長を批判して利下げを要求しました。トランプ大統領の思う通りにFRBが実際に利下げを行うまで、この批判が緩和することはないでしょう。米景気後退のリスクの高まりを背景に、市場は12月までに合計で1.20%相当の利下げ幅を織り込んでおり、今年の政策見通しに利下げを徐々に追加し始めている米国の大手投資銀行もあります。
FRBは様子見姿勢維持
パウエル議長は先週金曜日の講演と質疑応答の時間でも落ち着いた様子で、今後の方針について具体的には明らかにしませんでした。FRBとしては、関税に関してさらなる明確さを求めており、パウエル議長は忍耐強さを説きました。しかし、FRBには現在選択が迫られており、近いうちに多くのFRBメンバーの賛成を得られないような決定をせざるを得なくなるかもしれません。
FRBが金利政策を緩和すると決定する場合、基本的にトランプ大統領の勝利となります。その場合、トランプ大統領は、おそらく今後もFRBの決定を「命令」し続け、かなり強制的になり得ます。また市場は、利下げに向けて一時的に前向きな反応を示し、投資家はおそらくこれらの動きを正当化しようとするでしょう。FRBがリスク選好度悪化への対応を検討するとすれば、コロナ禍中のようなインフレ急騰となるリスクとなるかもしれません。
反対に、「大規模な関税はインフレ加速のリスクとなり、経済成長を減速させる」との事実を認識しているにもかかわらず、パウエル議長らが現在の様子見姿勢を維持する場合、FRBはトランプ大統領の怒りを買うことになり、結果としてパウエル議長の交代となる可能性もあり得ます。さらに、インフレが加速し、米経済が引き続き低迷する場合、スタグフレーションが引き起こされ、市場には一層の打撃となります。しかし、何より市場が毎日のように大きな損失を生み、基調的な経済の勢いがさらに失速することに対して、FRBが実際にどれくらい待ち続けることができるのかでしょう。
現実的には、米経済の現状だけでも、FRBが緩和政策を開始するのに十分な説得力を与える可能性がありますが、先週金曜日の米雇用統計が今後発表される経済データのトレンドを維持していくとすると緩和政策の開始とはなり得ないでしょう。市場は現在、木曜日に発表される3月の米CPI指数に注目しており、FRBハト派は大幅な下振れサプライズを期待しています。
株価指数は弱気相場入り
相互関税を巡る混乱によって、先週の米株価はコロナ禍が広まりつつあった2020年2月から3月に更新した以来最悪のパフォーマンスとなりました。ハイテク株が売りを牽引し、欧州株価指数が続きました。FRBが政策によって市場の資産価値暴落を支えるとの「FRBプット」への可能性がパウエル議長によって閉ざされたことで、アジア株は週明けに矢面に立たされています。また、米ドルも金曜日の上昇分のほとんどを還元し、ユーロ/ドルは1.1000ドル付近で取引されています。
ゴールドは3,020ドル辺りで推移しており、最新の高値から150ドル下回っています。ゴールドは驚異的なラリー後の単なる調整とも見る向きもありますが、株価低迷がゴールドの需要に影響していることは明らかです。さらに、WTI原油は2021年4月以来の安値まで下落しました。原油価格は、世界経済の健全性を示す重要なバロメーターであり、この下落から、世界経済の見通しは極めて暗いようです。
最後に、暗号資産市場は、トランプ大統領の相互関税発表後に慎重な反応を示しましたが、現在は大混乱となっています。ビットコインは、7万5千ドル以上を維持するのに苦戦しており、WTI原油とともに、上昇への反転には、今後の市場動向において大幅な変化が必要となります。