マーケットコメントー米ドル続伸、スイス国立銀行利下げ決定、イングランド銀行は金利据え置き

投稿日: 2025年3月21日20時10分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・FRBは利下げを急がずで米ドル続伸
・本日はシカゴ連銀総裁とニューヨーク連銀総裁の講演に注目
・スイス国立銀行は利下げ決定、イングランド銀行は金利据え置き決定
・米株式市場は後退、米国によるイラン関連の原油供給制裁から原油価格上昇

米ドルはFOMC会合決定の内容を引き続き消化中

水曜日のFOMC会合において、FRBが年内の追加利下げについて急ぐ必要はないと示唆したことを市場は引き続き消化する中、昨日の米ドルはほとんどの主要通貨に対して上昇し、本日も続伸しています。

パウエル議長は、FOMC会合での金利据え置き決定後に「利下げを急ぐ必要なない」と述べ、トランプ関税政策に対応する上での不確実性を強調しました。インフレ予測を上方修正し、成長の見通しについて下方修正したものの、パウエル議長は依然として堅調な経済データもあると述べ、世界最大の経済国である米国の景気後退への懸念は緩和しました。

また新しいドットプロットにおいて、年内に2回の0.25%の利下げが引き続き織り込まれていたことも注目すべきです。投資家は金利の見通しが年末までにわずか0.50%しか引き下げられないことを完全には納得していません。市場は現在、12月までに合計で0.67%相当の利下げが行われると見ています。

本日は、シカゴ連銀グルースビー総裁とニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁の講演が注目となるかもしれません。両氏ともにFOMC会合での投票権を持つメンバーであり、政策についての見解は中立であると見られています。したがって、本日の講演にて、両氏ともに利下げを急ぐ必要はないとのパウエル議長の見解に同意する場合は、米ドルがさらに続伸する可能性が高いでしょう。

FOMC会合決定後、トランプ大統領は自身のトゥルース・ソーシャル上で、FRBは金利を下げた方がいいと述べたことから、グルースビー氏とウィリアムズ氏が本日辛抱強く様子見の姿勢が最善の戦略だろうと繰り返すことは、FRBの独立性を強調することにもなります。

スイス中銀と英中銀は政策会合にて世界貿易の不確実性を警告

昨日、スイス国立銀行とイングランド銀行も政策金利を発表しました。スイス国立銀行は0.25%の利下げを決定し、トランプ関税による世界経済への影響の不確実性が著しく高まっていることに警告を発しました。

スイス国立銀行による利下げはこれで5会合連続となり、スイスフランが下落しているため、市場は9月までの再度利下げが行われる可能性を20%と予想しています。ただし、0.25%の利下げは完全には織り込まれておらず、スイス国立銀行は来年に再度利下げを開始することが予想されています、

イングランド銀行は昨日、経済の不確実性の高まりから金利を4.5%に据え置き、早急な追加利下げの憶測を押し戻しました。金融政策委員は、今回の政策会合に向けて、政策が予め設定されていたとの推定はなかったと言及しました。

このイングランド銀行による政策決定後、ポンドはいくらか上昇しましたが、投資家が年内にあとほぼ2回の0.25%の利下げを織り込んでいることから、水曜日の後半にはドル高に押され下落しました。

日本では、全国消費者物価(CPI)指数が発表され、やや減速しましたが、総合指数とコア指数ともに日銀の目標とする2%を大幅に上回っています。投資家は、6月の日銀政策会合での利上げの確率を50%強と予想しているものの、本日は円安が進行しています。

株式市場下落、原油価格は67ドルを突破して反発

米株式市場では、水曜日のFOMC会合決定を受けて、主要3指数全てが上昇しましたが、昨日は下落したことから、トランプ関税政策への懸念が払拭されていないことが示唆されています。また、究極の安全資産であるゴールドが昨日新しい最高値を更新したことからも、この市場の懸念が確認されます。ゴールドはその後下落し、本日も続落しています。このゴールドの下落は、おそらく週末を前に、一部の投資家の中で利益確定の動きとなったのかもしれません。

米国が、「ティーポット」と呼ばれる中国の民間製油所も含めて、イラン関連の原油輸出の制裁を発表した後、昨日の原油価格は上昇しました。中国の「ティーポット」は、イラン産原油の主な購入先です。OPECプラスが、合意水準を超えて生産された超過分を相殺するため、一部の加盟国に減産を進めることを発表したことも、原油価格の上昇の一因となりました。