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・トランプ関税は親密な貿易相手国が対象
・リスクセンチメントは引き続き後退で米株式市場は下落
・米ドルは主要通貨に対して下落
・原油価格と暗号資産に引き続き圧力
トランプ関税で株式市場は再度下落へ
トランプ大統領が次期の関税賦課を発表したことから、今月のリスク資産は下落基調でスタートしました。カナダとメキシコへの追加関税について、さらなる期間延期も踏まえて、交渉の可能性を示唆しているのか、トランプ大統領はまだ大統領令に署名をしていませんが、中国からの輸入品への20%の関税賦課については既に署名済みです。トランプ大統領はまた、相互関税の発動を4月2日に予定しており、EUがこの期限前に交渉合意に取り付けられるかが焦点となっています。
トランプ関税は交渉戦術にすぎないと考える一部の市場の見方にもかかわらず、最新の情勢から考慮すると、トランプ大統領は世界経済への影響を完全に無視して、「アメリカ・ファースト」のアジェンダへの取り組みを優先していることが窺えます。2月の米ISM製造業企業調査は、主に製造業価格のサブ指数が2022年7月以来の高水準まで上昇したことが要因で50をかろうじて上回るなど、最近の米経済データはそれほど好調さを示していません。一方で、雇用指数と新受注指数のサブ指数は再び50を下回りました。
昨日の米株価指数は大幅に下落し、金曜日の上昇が反転し、今月の株式市場は下落でスタートしました。ラッセル2000指数が株式の売りを牽引しており、ナスダック100指数も大幅に下落して最近の高値から8%も急落しました。中国が米国からの輸入品に対して15%の関税を課すとの対抗策を発表し、カナダも報復関税を準備している中、リスク選好度は後退し続けると見られ、欧州株価指数も下落基調です。
中国では、全国人民代表大会(全人代)と中国人民政治協商会議の年次総会が3月11日まで開催される予定です。 現在のトランプ関税を巡り、中国政府からさらに攻撃的な姿勢が取るリスクが高まっており、リスクセンチメントがさらに悪化する可能性もあります。
米ドルは再び下落開始
トランプ関税の最新の動きは、米ドルにも打撃となっており、ほとんどの主要通貨に対して下落しています。ユーロ/ドルは再び1.0500まで上昇し、ドル/円は重要な150円15銭を下回っています。トランプ大統領はおそらく2期目で初めて、円にとって否定的な発言をしており、円相場が注目されます。
トランプ大統領は特定の国が行う通貨安対策を関税の一種だと見なし、その結果、日本製品への貿易制限の賦課の可能性もあります。日米関係の特殊性を考慮すると、この見解はかなり行き過ぎにも聞こえますが、現段階ではどの国も安心すべきでないとの警告なのかもしれません。
本日は重要な経済データの発表はありませんが、セントルイス連銀ムサレム総裁とリッチモンド連銀バーキン総裁の講演が予定されています。さらに、トランプ大統領が 米国東部時間21:00(2:00 GMT)に議会演説を行う予定で注目となるでしょう。関税に関して攻撃的な発言があると思われますが、市場は減税に関する詳細の情報を待ち望んでいます。従って、本日の議会演説が、現在の市場の脆弱なセンチメントを向上させる重要なイベントとなり得ます。
原油価格下落、暗号資産は週末の上昇分を帳消しに
これらの進展の中、OPECプラス同盟国は石油供給増加の実施について準備を進めていると報道されています。WTI原油価格が主要な67ドルを若干上回っていることから、同盟国が石油増産を延期するのではとの報道が多くありました。4月の増産の規模は日量13万8千バレルとそれほどではありませんが、OPECプラス同盟国が市場のシェアを守るために価格戦争に備えていることを示唆しているのかもしれません。
最後に、今月の暗号資産市場は高いボラティリティでスタートしました。トランプ大統領が暗号資産の戦略備蓄を宣言したことで、暗号資産の最近の売りが抑制されました。トランプ大統領はビットコイン、イーサリウム、ソラナ、XRP、カルダノを戦略備蓄の対象に選出したため、これらの仮想通貨は一時的に急騰しました。しかし、この急騰もほとんどが終了したようで、ビットコインは現在84万ドル台を下回っています。この3日間での仮想通貨の変動から、暗号資産市場が株式の安定した代替手段となるにはまだ時間がかかるとの見解が裏付けされたのかもしれません。