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・トランプ大統領はカナダとメキシコへの25%、中国へは追加10%の関税を再度強調
・FRBによる利下げ観測の高まりと米国債利回りの低下も米ドル上昇
・豪ドルとNZドルが最も下落、ゴールドは続落
・エヌビディア株急落で株式の売却進む
米国との貿易戦争は次の段階へ
トランプ関税について、貿易相手国とのせめぎ合いがエスカレートしています。実施時期が延期されたカナダとメキシコへの関税賦課が実施されるかどうかについての多くの憶測が飛び交う中、トランプ大統領は昨日、25%の関税が3月4日から実施されることを確認したようです。また、中国からの輸入品に対しても10%の追加関税についても発表し、合計で20%の関税が課せられると発表しました。
市場はカナダとメキシコへの関税が再度延期となることを市場は期待していましたが、トランプ政権は両国との交渉の進展に満足していないようです。中国との交渉も含めて、フェンタニルの流通阻止が主な交渉の障害となっていると見られます。
そうは言っても、トランプ大統領の発言は脅しに過ぎず、来週火曜日の期限切れを目前に、最後の合意に達する可能性もあります。しかし、投資家は今回は危険を冒すことを選択していないため、リスク資産がかなり打撃を受けています。
全人代開催中に中国へのトランプ関税発動
カナダとメキシコが期限切れを前に報復するとは考えにくいですが、中国がトランプ関税にどう反応するかの方が大きな問題となっています。中国の指導者らは、来週の全国人民代表大会(全人代)に向けての準備に追われています。全人代は、中国経済の議題を含む今年の政策について立法関係者が会議をする場となっています。
「2つのセッション」と呼ばれる会議は、財政刺激案や国内消費を押し上げへの対策に関する発表がある可能性もあり、市場にとって重要なイベントとなり得ます。また、中国の指導者たちが、トランプ関税に早急な措置で対抗することから注意を逸らす機会になるかもしれません。
エヌビディア株下落で株式市場は売りへ
昨日の米株式市場での続落を受けて、本日のアジアと欧州での株価指数も下落しており、今回の市場の反応は確実に大きな反応となっています。
ナスダック総合指数が2.8%下落と市場の下落を牽引しており、S&P500も1.6%下落しています。中国の主要株価指数は約2%下落していますが、欧州株価指数での下落は、今のところはそれほどではありません。
AI大手であるエヌビディア株が最も下落しており、先日の決算報告での3桁の収益成長が持続不可能ではとの懸念から、決算発表後に8.5%も下落しました。エヌビディア株は、生産コストの上昇とトランプ関税の可能性もあり、利益率も打撃を受けています。
米ドル上昇も豪ドルとNZドルは下落
為替市場では、トランプ関税の不安定な情勢の中、米ドルが安全資産として選択されて、主要通貨に対して上昇を再開しており、2カ月ぶりの高値に向かっています。
豪ドルとNZドルが、全体的なリスクオフは別として、今週のトランプ関税関連の売りから最も打撃を受けて下落しています。投資家は、トランプ大統領は米国と同盟国と見られている他の貿易国との交渉合意を果たしたとしても、中国への規制に関しては譲歩しないと見ているようです。オーストラリアとニュージーランドはともに、中国への輸出に大きく依存しています。
米英貿易協定への期待はポンドに朗報
当然ながら、カナダドルが主要通貨では、豪ドルとNZドルに続いて下落していますが、一方でユーロとポンドはわずかな下落にとどまっています。
トランプ大統領はイギリスのスターマー首相とホワイトハウスで会談し、ウクライナに関するかなり厳しい見解を撤回したように見えたため、間接的にEUに対する関税計画にも交渉の余地があるとの期待が高まることになりました。一方で、トランプ大統領が米英貿易協定が実現すれば、イギリスへの関税は「必要がない」と述べたことで、特にポンドにとっては朗報となっています。
ゴールドとビットコインは下落続く
ドル高は、引き続きゴールドにとっては打撃となっており、安全資産への流入からの恩恵を全く受けていないようです。ゴールドは、本日前半に2,850ドルを下回る水準近くまで下落しました。
ビットコインの急落も継続しており、今週の損失は16%以上となっています。
FRBの利下げ観測が高まる中、本日の米PCEインフレデータに注目
関税関連の進展を除いて、焦点は本日13:30(GMT)に発表となる米PCEインフレデータとなります。今週の米国債利回りは需要が高まっており、10年債利回りは4.245%まで低下しています。
投資家は、インフレデータよりも関税による経済成長への影響について懸念を示しており、現在FRBが今年3度目の利下げを行う確率を40%以上と見ています。
しかし、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁は昨日、金利政策は「どちらの方向にも」進む可能性があることを示唆しており、この利下げ観測はFRBからの発言内容との整合性が取れていません。