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・ドイツ総選挙の結果を受けて、連立政権への交渉は長引くか
・ユーロとドイツ株価指数は上昇も見通しは依然として不透明
・金曜日の米株式市場の低調なパフォーマンスと仮想通貨のハッキングでリスク選好度は後退
・ゴールドは上昇維持、原油価格は2か月ぶりの安値から回復
ドイツ総選挙は世論調査を反映、連立政権への交渉開始
昨日のドイツ連邦総選挙では、極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)が台頭し、懸念が高まっており、最近の世論調査での政治情勢の変化を確認した形となりました。中道右派「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」が第1党となりましたが、圧倒的な勝利とはなりませんでした。メルツ氏率いるCDU・CSUは全体の30%以上の票を獲得できなかったものの、AfDは約21%の投票率を獲得し、2021年の選挙にて圧倒的な強さを見せた東ドイツの州での投票率を倍増させました。しかし、自由民主党(FDP)とザーラ・ワーゲンクネヒト同盟(BSW)の両党の議席数がともに5%に満たなかったことから恩恵を受けて、CDU・CSUは208議席を確保しました。
メルツ氏が次の首相となる予定で、既に4月20日のイースターまでに新政権を発足させたいと言及しています。しかし、メルツ次期首相のこの発言は楽観的かもしれません。議会での獲得議席数によると、CDU・CSUと「社会民主党」(SPD)の獲得議席数が328議席となることから、別に連立政権を樹立することが第1の選択肢となります。特に社会民主党が連立政権を考え直す場合は、緑の党が連立に参加できるように待機しています。
出口調査の発表と最初の議席数予想を受けて、ユーロは米ドルとポンドに対して上昇しました。おそらく、市場は極右AfDがもっと躍進して、第1党となる可能性も懸念していたためか、リリーフラリーとなったようです。
次のドイツ政権への交渉が予想以上に長くなる可能性があることから、ユーロは、本日前半の上昇分の多くを還元しています。一方で、ECBメンバーは、今後の金利の方向性についての議論を活発化させています。ハト派は利下げ継続を支持しており、フランス連銀のヴィルロワ総裁は、夏までに預金金利を2%にすることを目標にしており、市場の予想に一致しています。しかし、タカ派も主張を維持しており、ベルギー連銀のウンシュ総裁はより積極的な意思決定プロセスを求めています。
ドイツの株価指数DAX40は上昇して開場しましたが、金曜日の低調な米株式市場のパフォーマンスと、トランプ大統領による重要な米国の産業での中国からの投資制限の取り組みを受けて、全体のリスク選好度が引き続き後退しています。
トランプ関税が再度焦点に
先週はトランプ関税に関しては比較的静かとなりましたが、カナダとメキシコへの25%の関税発動の延期期間が3月4日に終了する中、トランプ大統領は報復処置を検討していると予想されています。今週、3国のリーダーが再び会談する可能性があり、トランプ大統領がさらに積極的な利権を求める可能性があります。
ウクライナも焦点となっており、欧州も米国とロシア間での和平交渉に参加できるよう試みています。フランスのマクロン大統領は、本日米国を訪れる予定ですが、交渉参加の進展となるとは見られてはいません。米国は ウクライナの鉱物資源権益において有利となるようにまずは交渉を進めており、その交渉成立後に、引き続きロシアとの和平交渉の合意を行う予定です。
ゴールド上昇維持、原油価格と仮想通貨は下落
これらの進展の中、ゴールドの需要は継続しており、最高値にかなり近い2,935ドルを若干上回った水準で取引されています。ウクライナとロシア間での和平交渉の可能性はゴールドにとっては打撃となり得ますが、トランプ関税が引き続き大きな追い風となっているようです。
一方で、原油の強気筋は、2カ月ぶりの安値を利用しようと試みています。OPECプラスが供給増加の予定を延期するとの最近の報道にもかかわらず、週末にイラクのクルド人自治区での石油輸出再開とロシアの石油がまもなく自由に手に入るのではとの期待もあり、原油価格の下落の一因となりました。
最後に、暗号資産市場は、過去最大級のハッキング被害を受けて圧力に晒されています。Bybit取引所では、コールドウォレットから15億ドル相当のイーサリウムを損失したようで、取引所の安全性に関しての懸念が高まっています。この件は、暗号資産資産にとっては痛手となり、ビットコインは95,000ドル付近で横ばいとなり、その他の仮想通貨も本日下落基調となっています。