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・ゴールドは最高値から後退で、株価に期待か
・好調なユーロ圏のPMI指数もユーロは下落
・日曜日のドイツ連邦議会総選挙の結果次第で来週はリスクオフの反応か
・日本の財政状況への懸念から円安へ
リスク選好度は依然として後退気味
トランプ大統領が関税に関して、今週は比較的リラックスしたアプローチを取っているものの、市場には今後の行方に関して、依然として警戒感が広がっています。マイクロソフトが自社設計の半導体を生産するとのニュースなど、技術面での進展によって前向きな要素となっていますが、リスク選好度は依然として後退しており、ゴールドは昨日、最高値を更新しました。
具体的には、S&P500は今週横ばいとなっている一方、欧州株価指数は欧州での重要なイベントを前に、若干赤字となっています。中国株式市場のみが、AI関連の進展から恩恵を受けて今週は黒字です。
一方、FRBメンバーは、前回のFOMC会合要旨で明らかとなった「様子見」の姿勢を維持しています。しかし、FRBハト派も今年の利下げに向けての見解を維持しており、市場は今年の合計利下げ幅を0.40%として、12月に更新されたFRBのドットプロットで示唆された2回の利下げから若干縮小しています。昨日、ハト派で知られるFRBクーグラー理事が「FRBはしばらくは利下げを行うべきではない」と発言したことが投資家らの警戒感となったのかもしれません。FRBジェファーソン副議長とサンフランシスコ連銀デーリー総裁が本日講演する予定で、二人ともハト派に徹すると見られています。
ユーロ圏での動向に注目
為替市場では、日本円の動向除いては、今週はあまり変動がないようです。米ドルとユーロは、ともに今週下落基調ですが、本日の好調な英小売売上高を受けて、ポンドが今週の上昇を維持しています。ユーロ圏のPMI企業調査速報値が予想をわずかに上回ったものの、ユーロの上昇とならなかったことは奇異な現象でしょう。おそらく、市場がウクライナとロシア間での紛争とドイツの総選挙の行方に注目しているからかもしれません。
日曜日には、ドイツにて連邦総選挙が行われる予定で、ドイツと欧州全体にとって重要なイベントになります。ドイツ経済はここ数年低迷しており、欧州第1の経済大国の再開には、新たな取り組みとリーダーシップが必要です。同様に、米国が独自の条件下でウクライナとロシア間の紛争を終結させようと試みている中、欧州としては地政学的な舞台での場所を取り戻すよう必死に模索しています。
世論調査では、「キリスト教民主・社会同盟」(CDU・CSU)が勝利すると示唆されているものの、極右となる「ドイツのための選択肢」(AfD)が大幅に躍進するリスクも大きくなっています。総選挙の結果、右翼の台頭となる場合は、Gerexitと言われるドイツによるEU離脱のリスクも高まり、3党での次の連立政権樹立への交渉がさらに困難となる可能性もあります。2017年の「キリスト教民主」(CDU) と「社会同盟」(CSU)、「自由民主党」(FDP)と「緑の党」(Greens)による4党での連立政権への交渉は6か月続きました。リスクオフへの反応によって、ドイツ株価指数が下落し、来週月曜日にユーロも下落する可能性もあります。日曜日の17:00(GMT)に最初の出口調査の結果が発表され、1時間以内にドイツでの連邦議会の議席数が割り当てられると見られています。
国内長期金利上昇で円安に
本日発表された日本の経済データは、日本経済の堅調さをさらに裏付けしました。1月の全国インフレレポートは予想よりも好調で、総合消費者物価(CPI)指数が4%に上昇し、コアCPI指数も前年比で3.2%上昇を示しました。さらに、2月の製造業PMI速報値も予想より若干上昇しています。
これらの堅調な国内経済データにもかかわらず、国債利回りが上昇していることから、日本円は本日下落しています。10年債利回りは2009年以来の高水準まで上昇し、日本の財政状況への懸念となったため、石破首相と加藤財務相が利回り上昇の影響について警告を発しました。30年近く経って、インフレの上昇により、ようやく利上げの実行となったことから、政治家がその努力を妨げるような行動に出たことは、日銀の植田総裁らにとっては残念な状況に違いないでしょう。