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・トランプ政権の関税戦略はコロンビアに対して功を奏す
・米ドル上昇も米株価は下落示唆
・今週は中国の春節が始まる中、重要な経済イベント続く
・ゴールド、原油価格、仮想通貨は後退
トランプ政権の関税政策でリスクセンチメント低下
トランプ大統領が攻撃的な関税政策の導入を開始したことで、今週の市場は小難を逃れて大難に陥る状態となっています。報道によると、2月1日にメキシコとカナダに対して25%の関税を迅速に導入するよう計画しており、週末には、コロンビア政府が米国からの国外追放者を乗せた軍用機の着陸を拒否したことから、コロンビア政府もトランプ大統領の逆鱗に触れました。
コロンビア大統領は即スタンスを変え、トランプ大統領の要求に応じたことから、貿易制限が目標達成のために強力な手段となることが裏付けされた形となり、今後さらに攻撃的になる可能性があります。結果として、リスク選好度が大きな打撃を受け、先週の欧米の株式指数は予想外にもフランスのCAC40がラリーを牽引して、堅調なパフォーマンスとなりましたが、今週は赤字でスタートしています。
AI関連の進展も重要な役割を果たしており、中国のDeepSeekのR1モデルが米国のAIのライバルを揺さぶる可能性があります。トランプ大統領は、この展開を利用して、AIへの5000億ドルもの巨額投資の発表を推進し、中国に対してのスタンスを強化する可能性があります。
米ドル上昇、ゴールド後退
一方、今週の米ドルは上昇基調で、特にユーロに対しての先週の下落をいくらか反転させています。先週のユーロは、ユーロ圏の製造業とサービス業PMI指数が上振れサプライズとなったことで上昇しました。しかし、ゴールドと暗号資産市場での動きが最も注目に値するでしょう。
ゴールドは2,800ドル台に近づいた後、2,750ドルまで後退しています。この後退は、上昇後の利益確定と見る方が理にかなっているようですが、中国での春節が1月28日の火曜日から始まり、1週間の大型連休となることから、中国政府が少なくても1週間はゴールドの市場にて不在となる可能性があり、ゴールドへの需要にも影響があるかもしれません。
しかし、ゴールドの買い手はこの価格下落を好材料とし、また暗号通貨市場でも同様となるかもしれません。ビットコインは、11万ドルの水準に再び近づいた後、これといった重要なニュースがなかったにもかかわらず、10万ドル以下まで急落しました。テクニカル面では、ダブルトップを形成する可能性がありますが、弱気トレンドが確証されるには、9万1千500ドルを下回る必要があるでしょう。
今週は重要な経済イベント続く
このような市場の動きとトランプ大統領の言動がリスク抑制要因として最も影響力がある中、今週の経済カレンダーはかなり忙しくなりそうです。市場のボラティリティが依然として高い中、カナダ銀行とECB、そしてFRBが今週は金利政策決定を予定しており、またマイクロソフト、メタ、テスラとアップルが第4四半期の決算を報告する予定です。
ECBとカナダは、ともに0.25%の利下げを決定すると予想されており、焦点はFRB、特にパウエル議長の記者会見となるでしょう。市場は6月での今年最初の0.25%の利下げを織り込んでおり、パウエル議長がバランスの取れた発言をする場合、今後の利下げ観測が後退する可能性があり、先週のダボス会議にて利下げを要求したトランプ大統領の怒りを買う恐れもあります。
原油価格は再び下落基調
一方でロシアがトランプ大統領とプーチン大統領との会談がウクライナ紛争を解決する可能性を示唆する中、トランプ大統領はサウジアラビアの皇太子と電話で会談し、今後の原油価格の低下について話し合いました。その結果、原油価格は続落し、200日移動平均線を下回りました。特に、最新の中国の製造業PMI指数が予想外に50を下回って縮小領域となったため、原油価格の見通しは引き続き不透明のままとなっています。