デイリーコメントートランプ氏の大統領就任式を目前にリスク選好度改善

投稿日: 2025年1月20日19時02分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・市場のムードは比較的良好
・本日トランプ第2次政権発足
・米ドル下落も暗号資産市場は急騰
・日銀利上げ観測の高まりから円高となるか、原油価格下落

本日トランプ第2次政権発足

今年最初の重要なイベントへのカウントダウンが始まりました。トランプ氏は約100の大統領令への署名を準備し、本日公式に大統領に就任することになります。関税に関する繰り返しの発言にもかかわらず、これらの大統領令は主に移民とエネルギー関連に焦点を当てることが予想されています。

しかし、関税やカナダ、メキシコ、パナマ、またはデンマークへといった他の貿易制約が課されることや、大統領主任式後の手続きを受けて、トランプ新大統領がかなりのタカ派な発言をする場合は、マイナスなサプライズの可能性も排除できません。これらの発表がある場合は、現在の株式市場での改善したリスクセンチメントがすぐに反転する可能性もあります。

トランプ氏と習主席との電話会談によって、トランプ第2次政権がそれほど混乱のスタートを切らないのではとの期待を高めました。したがって、先週の米株価指数によって更新された前向きなパフォーマンスに基づき、本日のアジア株は黒字となっています。実際に、より伝統的なNYダウ30指数が再び牽引する形で、先週の米株価は11月初旬以来の好調なパフォーマンスとなりました。

米ドル上昇は勢い失う

米ドルは、週開けに若干下落基調となり、この上昇を利用したいところです。本日の米市場は祝日で休場ということもあり、今週の米経済カレンダーは比較的静かです。金曜日の米製造業および非製造業PMI指数が、市場のボラティリティを増大させる可能性があります。

さらに、FOMC会合をわずか9日後に控え、FRBメンバーは正式なブラックアウト期間に入っています。最近の強弱混合の米経済データを受けて、市場は今年中に合計で0.38%の利下げ幅を予想しており、最初の0.25%の利下げは7月までに完全に織り込まれています。しかし、トランプ新大統領による今後の行動について、市場は依然として不安を抱いています。

ボラティリティに関していえば、暗号資産市場は引き続き上昇しています。 調整期間を受けて、ビットコインは10万9千ドルをわずかに下回って取引されており、XRPやソラナといった他の仮想通貨に比べて損失分を回復しようと試みています。しかし、週末に発行されたトランプ氏によるミームコインは異常なほど急騰しました。

今週金曜日は日銀政策会合決定

今週の最大の経済イベントは、おそらく金曜日の日銀政策会合となるでしょう。日銀が利上げを発表するとの期待が高まっており、0.25%の利上げの可能性は81%となっています。ドル/円はこの市場の期待から恩恵を受けて156円辺りで推移しており、日本政府からの口頭での為替介入を促す傾向のある158円からの差を維持しています。

今週の日銀会合による利下げが行われるかどうかは、植田総裁らの決定次第です。トランプ新大統領はここ数日は貿易戦争を開始せず、金曜日の日本国内インフレレポートも大幅な下振れとならないことを仮定すると、日銀はおそらく待望の利上げを行うと見られます。

ゴールド上昇、原油価格下落

ゴールドは上昇基調で2,700ドルを大幅に上回っているものの、原油価格は3日連続で下落を更新しています。ゴールドは、12月後半以来上昇傾向にあり、多くの投資家はここ数週間のドル高を無視して、トランプ第2次政権を前にオープンポジションを選択しています。

原油価格は、60ドル半ば付近から印象的な上昇を更新し、主要な長期トレンドラインを突破して、5カ月ぶりの高値である80.59ドルに達しました。現在は利益確定が進行している可能性が高く、トランプ新大統領が本日エネルギー供給について重要な発表をする場合、さらに大きな調整となる可能性があります。