デイリーコメント – 市場は引き続き静観ムード

投稿日: 2024年12月30日20時32分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 市場はホリデームードを継続
  • 米ドル、先週の上昇幅の大半を維持
  • 米債務上限問題が再燃、リスクセンチメントに影響
  • 円とビットコインの下落トレンドは続く

市場は2024年最後のフルセッション

大晦日は米国債券市場とニューヨーク証券取引所が通常よりも早く取引を終了するため、2024年最後のフルセッションはすでに始まっています。 流動性の低下、市場見通しの不透明感、及びレンジ取引が今年最後の数セッションを特徴づけており、米ドルは米金利政策発表後の対ユーロでの上昇分のごく一部を戻したものの、大きな変動はありません。

ユーロ圏でのネガティブなニュースが多く、ユーロは回復にはなかなか至っていません。ドイツは2月の解散総選挙を前に、先日のクリスマスマーケットでのテロ事件やイーロン・マスク氏のAfD支持の表明などを受け、政治的緊張が急激に高まっています。一方、ウクライナはロシア産天然ガス輸送を制限する準備を進めており、スロバキアなどロシアの石油や天然ガスを利用している近隣諸国からの反発を招き、EU圏からの経済的・軍事的支援の流れを脅かす可能性があります。

株価は現時点での不透明性に直面

株価は金曜日の弱含みに耐え、週足ではプラスで終えるなど、おそらく最も興味深い週となりました。米債上限問題に再度注目が集まり、米10年債利回りは4.6%まで上昇し、2024年5月以来の高水準を記録しました。トランプ次期大統領はすでにこの債務上限撤廃に言及しています。アメリカ合衆国憲法を考慮すればあまり現実的ではありませんが、一部の法律の専門家はトランプ次期大統領が必要に応じて「抜け穴」を使用する可能性を指摘しています。

ベテランの市場参加者の大半が休暇を取得する中、若手の市場参加者は非常に困難な状況下であまり動かないよう厳しく指示されているため、本日のセッションも引き続き流動性が低くなる見通しです。本日に発表される経済指標は少なく、12月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)や11月米中古住宅販売成約指数が為替市場を若干動かす可能性があります。

円安傾向が続く

一方、円相場は依然として圧力を受けており、ドル/円は158円台をわずかに下回って推移しています。先週金曜日に発表された東京CPI指数や日小売業販売額等の最近の日本のデータは好調だったにもかかわらず、市場は再び日本の金利政策当局者の忍耐力を試しているようで、加藤財務大臣は金曜日に一連の口先介入を行いました。参考までに述べると、2024年最初の介入が行われた4月は、ドル/円が158円台を大きく超えて取引されたときでした。

 ゴールドは横ばい、ビットコインは直近の最安値

最近のゴールドは、50日移動平均線と100日移動平均線の間で横ばいで推移しており、これは買い手と売り手のバランスがほぼ完璧であることを示しています。この値動きはすなわち、市場に大きなポジションを取る意欲がないことを示しています。

仮想通貨市場は反対に、利益確定の動きが広がっており、厳しい状況となっています。ビットコインは現在94,000ドルを少し下回る価格で取引されており、過去最高値から約15,000ドルの下落となりましたが、他の主要暗号通貨はより大幅な下落となりました。ビットコインは米大統領選前の水準を40%ほど上回り、2024年には120%ほど上昇するなど、もっと大きく上昇した年の一つとなっています。