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市場は米インフレデータを注視
週半ばに向け、市場の静観ムードに変化はありませんが、水曜日には米CPI指数とカナダ中銀の政策発表等の重要指標発表とイベントが控えている為、これは「嵐の前の静けさ」となりそうです。豪ドルがオーストラリア準備銀行のハト派路線への変更に大きく反応したことが、この先の展開を予感させるものであったとすれば、市場は波乱の展開になるかもしれません。
一方で米ドルは、主要通貨に対して4日連続で上昇しています。これは、他国の中央銀行がFRBよりも大幅な利下げを行っていることが、他の主要通貨が対米ドル苦戦している要因です。これにより、本日の米CPI指数が一段の注目を集める形となっています。
市場では0.25%の利下げの可能性が約85%となっていますが、予想を大幅に上回るインフレ結果となった場合、特に先週金曜日の米雇用統計が堅調な米労働市場を浮き彫りにしたことも考慮すると、FRBは 12月の利下げを見送る可能性があるでしょう。予想では米総合CPI指数は2.7%の上昇、コアCPI指数は3.3%での据え置きが予想されています。
最新のインフレデータが12月の利下げ観測を強めたとしても、FRBが来週の会合で1月の利下げの見送りを示唆する可能性は十分にあるため、米ドルは上振れリスクとなるでしょう。
カナダ中銀、0.50%の追加利下げの準備へ
本日、市場の関心はカナダ中央銀行にも向けられます。11月のカナダの失業率が予想外に上昇したことを受け、ティフ・マックレムカナダ中銀総裁が0.50%の利下げに踏み切ると大方の予想が立っています。先週金曜日のカナダ雇用統計の結果を受け、カナダドルは既に大幅に下落しており、大幅利下げの可能性は90%以上で織り込まれているため、一段の下落幅は限定的となるでしょう。
昨日のカナダドルは、対米ドルで1.4194まで下落し、4年半ぶりの安値を更新しました。本日、カナダドル売りが加速するかどうかは、カナダ中銀が今後数ヶ月の間に積極的な追加利下げを示唆するかどうか次第でしょう。
豪ドルとユーロは下落
豪ドルは2日で続落し、木曜日に発表される11月雇用統計を前に、対米ドルで1年以上ぶりの安値をつけました。この動きは、オーストラリア準備銀行が火曜日の政策会合で金利を据え置いたことを受けたもので、早ければ2月に利下げが行われる可能性が示唆されました。
ユーロは今週開催予定のECB理事会を控え、下落傾向にあります。しかし、ユーロは11月末以来、横ばいの動きを続けており、市場では12月の政策会合での0.50%の利下げ観測が後退しています。ECBが0.25%の緩やかな利下げペースをの維持を示唆した場合、ドイツとフランスの両国で政治崩壊に直面しているユーロにとって、短期的には支援材料となる公算が大きいでしょう。
ドイツのショルツ首相は水曜日遅くに信任投票の正式な申請を提出し、2月の総選挙への道を開くと見られています。
円相場は乱高下
本日の円相場は乱高下しています。好調な国内企業物価を受けて、円相場上昇してスタートしましたが、その後に日銀の早急な利上げは必要がないという姿勢をブルームバーグが報じたことを受けて急落しました。
したがって、来週の利上げの可能性は十分に残っているものの、ドル/円は本日の始値とほぼ変わらない水準まで回復し、2週間ぶりに152.50円台を記録しました。