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・今週は特に重要な米経済データに注目
・ユーロ圏の政情不安がユーロの重荷に
・米ドルは特にユーロに対して上昇
・ゴールドとビットコインは下落も年末はゴールドには有利
今週は主に米経済データに注目
米市場は先週の連休明けで活気が戻ってきており、今年最後の12月19日のFOMC会合決定に向けて重要な週を迎えています。今週は米経済データの発表が目白押しで、一連のFRBメンバーの講演も控えていることから米経済が主に注目となるでしょう。
本日、早速米PMIとISM製造業企業調査が発表となり、米経済への全体としてポジティブなセンチメントにもかかわらず、両指数ともに過去数か月で下振れトレンドにあります。市場は、ISM製造業企業調査において適切な調整が見込まれていますが、引き続き縮小領域である50以下にとどまる可能性が高いです。サブ指数も焦点となっており、特に雇用指数は金曜日の非農業部門雇用者数への指標として注目となるでしょう。
FRBでは穏健派で知られる ウォラー理事とニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁も本日講演予定です。12月18日から開催されるFOMC会合を前にして、今週末からFRBメンバーが公に発言を控えるブラックアウト期間が設けられることから、投資家は今週のFRBメンバーの予定外の発言にも備える必要があります。
ユーロ圏の問題は山積み
ユーロは11月は低迷の一カ月となり、ほぼ全ての主要通貨に対して下落し、米ドルに対しては、2023年5月以来の最悪のパフォーマンスを記録しました。ユーロ圏の軟調な経済データと政情不安、そしてトランプ氏の大統領選勝利がユーロの低迷の要因となっており、状況は依然として危機的と言えます。本日、S&Gグローバルによる11月のユーロ圏のPMIが発表となりますが、この発表が現在の経済の勢いやECBの利下げ観測を変更するとは考えられにくいでしょう。
トランプ次期大統領は1月20日の正式な2期目の大統領就任に向けて準備を進めており、ユーロ圏は深刻な政治問題を抱えています。ドイツではショルツ首相は2期目を目指しており、12月16日に信任投票が行われるものの、解散総選挙前のキャンペーンが既に始まっています。他党も徐々にマニフェストを発表しており、極右党(AfD)はEUとユーロシステムからの離脱を掲げています。
2024年の予算が議論されているフランスの政情もまた危機的状況です。バルニエ首相はイギリスの予算案と同様に、支出削減と増税を発表し、フランスの財政が再び制御できることを目的としています。イギリスの予算案との大きな違いは、バルニエ政権が議会の過半数に達しておらず、その結果野党からの承認に頼らざるを得ないことです。
野党としては、ルペン氏率いる国民連合(RN)が、バルニエ首相の予算に公に反対を表明しており、信任投票または新たな首相任命となる可能性もあります。このフランスの政情不安の結果、仏10年債利回りは一時ギリシャの国債利回りを上回り、フランスのCAC40指数はマイナスリターンとして11月の取引を終え、ドイツのDAX40指数とイギリスのFTSE100指数のパフォーマンスを下回りました。
ゴールドとビットコインは下落
ゴールドとビットコインは本日ともに赤字です。ビットコインは再び100,000ドル台を突破できず、現在売りの動きとなっており、一方ゴールドは、現時点で2,620ドル辺りを推移しています。11月の暗号資産の急騰とは反対に、11月のゴールドは2023年9月以来軟調な月となりました。しかし、ゴールドは年末の12月に著しくパフォーマンスが向上することが示唆されているため、ゴールド購入者は絶望する必要はなさそうです。