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・本日の米PCE物価指数に注目
・米インフレの粘着性が証明されると、FRBの金利据え置きの確率高まるか
・安全資産の需要により円高進行
・S&P500とNYダウは最高値更新、ゴールドも反発して上昇
本日の米PCE指数でFRBの金利据え置き観測は高まるか
トランプ氏による関税に関する発言によって、昨日前半の市場は著しく変動しましたが、後半にはその反応も一部緩和し、本日の米ドルは全ての主要通貨に対して下落しています。
FF金利先物によると、トランプ氏の関税政策についての市場の懸念は後退しているとは言い難く、おそらく、米ドル下落の背景には、本日の米PCE物価指数を前にした利益確定となったからかもしれません。
トランプ氏による攻撃的な関税と大幅な減税は、インフレを再加速させる可能性があり、市場は依然として、FRBが12月のFOMC会合にて金利を据え置く確率を37%と見ており、1月での金利据え置きの確率は57%まで押し上げられています。さらに注目すべきことに、FRBが12月と1月のFOMC会合ともに利下げを行わない可能性を市場は28%と設定しており、かなり高いことです。
本日の米PCE指数にて、10月のインフレ率はいくらか加速し、FRBがインフレ測定に使用するコアPCE指数は、前年比で2.7%から2.8%に加速することが予想されています。この予想通りとなる場合、FRBが年末年始に金利を据え置く可能性が押し上げられ、その結果米ドルは上昇することになります。
NZ中銀0.50%の利下げ決定でNZドル上昇、安全資産としての需要で円高進行
本日最も上昇している通貨はNZドルと日本円です。本日、ニュージーランド準備銀行が0.50%の利下げを決定し、0.75%の利下げを期待していた投資家の失望となったことから、NZドルは急騰しました。
円高の背景には具体的な要因はありませんが、日本円は安全資産として再度評価されているようで、トランプ氏による関税政策への懸念から資金が流入しているのかもしれません。その上、米中間の混乱は、アジア貿易における日本政府の交渉の手腕強化となる可能性があります。
金融政策に関しては、市場は日銀が12月の政策会合にて0.15%相当の利上げ、1月の政策会合までに0.22%相当の利上げを行うことを織り込んでいます。これは、約0.15%と0.10%の2会合連続の利上げ、または1月に大幅に0.25%相当の利上げを行うと予想されていることになります。
今週の金曜日のアジアセッション中に、東京の11月の消費者物価(CPI)指数が発表となり、この指数は全国のCPI指数と密接に関係することから、日本のインフレの方向性についてのサインとして注目されるかもしれません。したがって、初期段階での消費者物価の粘着性を証明する場合、日銀が12月と1月の政策会合にて利上げを実施する確率が押し上げられる可能性があります。
米株式市場は上昇基調、ゴールドも上昇に転じる
昨日の米株式市場は、トランプ氏による関税政策の脅しやFRBによる利下げ観測後退の可能性を考慮に入れず、3指数全て上昇しました。ナスダックが最も上昇し、S&P500とNYダウは未知領域に突入して上昇しました。
この株式市場の上昇には、前回のFOMC会合の議事録がいくらかハト派となり、12月での金利据え置き観測に若干重荷となったからかもしれません。しかし、市場がトランプ氏の関税政策を進める決意が、大規模な法人税減税の公約実行への決意にもなると解釈したこともあるかもしれません。
ゴールドは、おそらくドル安を利用して堅調に上昇しました。トランプ氏による関税政策への投資家の懸念によって、ゴールドを避難所とした可能性があります。一方で、イスラエルとヒズボラとの間での停戦が有効となったとの事実も、停戦合意の可能性との最初の報道でゴールドが大幅に下落したことを踏まえて、いくらかの「事実で買い戻す」動きとなった可能性があります。