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激化するウクライナ紛争の中、ゴールドが上昇
ウクライナとロシアの紛争は依然として注目を集めています。バイデン米大統領は150カ国以上で禁止されている対人地雷の供与に同意をし、ロシアは中距離弾道ミサイルを発射する形でこれに応えるなど、2国間の紛争は激化しています。
これらの動きは、過去数ヶ月間比較的凍結状態にあった紛争を、明らかに深刻化させるものです。興味深いことに、トランプ次期米大統領は最近の地政学的な出来事についてあまり発言せず、沈黙を守っています。トランプ次期大統領は政権閣僚人事に集中していますが、この紛争を解決すると選挙前に述べていたことを考慮すると、より積極的な発言が期待されていました。
今週は、ゴールドが2024年で最も上昇した週となる
殆どの市場では、地政学リスクへの反応が限定的でした。その一方で、ビットコインはほぼ100,000ドルの大台を超えようとしており、ゴールドは米大統領選後の下落から回復を続けています。現在ゴールドは2,700ドルの水準を下回って推移をしており、11月15日の安値$2,555から約5%上昇しています。これは、2023年10月9日の週以来となる力強い上昇幅です。
米ドル高が継続する中、ゴールドの上昇しているのは、非常に興味深いことです。昨日の新規失業保険申請件数が7カ月ぶりの低水準に改善したことや、FRBメンバーが12月のFOMC会合での利下げの一時停止を示唆していることから、ユーロ/ドルは2023年10月以来初めて1.0500を割り込みました。ボウマンFRB理事のようなFRBメンバーのタカ派的な発言はさほど驚くものではありませんが、グールズビーシカゴ連銀総裁が昨日、「FRBが利下げペースを緩やかにするのが妥当である」と発言をしたことは、市場の注目を集めました。
グールズビーシカゴ連銀総裁はおそらく2025年の政策金利について言及したのでしょうが、12月の会合での利下げは、多くのエコノミストの予想ほど明確ではないことが次第に明らかになりつつあります。直近の世論調査では、ほぼ90%のエコノミストが12月18日のFOMC会合で0.25%の利下げを織り込んでいます。しかしながら、市場はエコノミストの予想にあまり同意していないようで、0.25%の利下げの確率は現在58%と予想しています。
ユーロ強気派は一息つけず
ユーロ圏では特に、ECBが追加利下げを準備していることから、ユーロ強気派が小幅な巻き返しを図るには至らないようです。ドイツが「欧州の病人」と呼ばれ続ける中、ユーロ圏のPMI速報値は再び上振れすることがなかったため、12月12日の会合での追加利下げ観測が上昇しています。
本日のデータを受けて、市場は12月に0.50%の利下げが実施される確率を43%と織り込んでいます。特にECBメンバーは、トランプ次期大統領の就任が、ユーロ圏の対米輸出に新たな関税をもたらす可能性が高いと確信しているため、来週のユーロ圏CPI速報値が大幅に鈍化すれば、0.50%の利下げが決定的になる可能性が高いでしょう。
CPI指数上昇にもかかわらず円安
本日の円相場は、インフレ率が予想を上回ったにもかかわらず、対米ドルで小幅な下落となりました。コアインフレ指標の上方修正サプライズは、12月の会合での利上げへの市場期待を支えています。最近の植田日銀総裁の発言や少数派政権による補正予算案を考慮すると、金利の正常化に向けた日銀の決意を市場は過小評価している可能性があり、12月に向けた円高の流れを誤って判断しているかもしれません。