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・エヌビディアは好調な業績報告も株価は方向性に欠く
・12月のFOMC会合での利下げ観測後退が市場の重荷に
・米ドルは高値付近で安定、円高進行、ビットコインは97,000ドルまで急騰
エヌビディアの決算報告は市場の高まる期待に応えられず
株式市場の勢いは引き続き精彩に欠けており、AI大手のエヌビディアが第3四半期に好調な業績を報告した後も方向性を模索しています。エヌビディアは1株当たりの利益と売上高見通し、そして今四半期の見通し全てが予想を上回りました。
しかし報告書によると、前年比の増加と第4四半期での見通しが3桁の成長率から2桁に減速したことから、利益拡大の鈍化が示唆されました。エヌビディア株は時間外取引で約2.5%下落し、昨日S&P500が横ばいで取引を終えた後、米先物もわずかに赤字となっています。
米司法省がアルファベット社に、ブラウザー「クローム」の売却を連邦裁判所に求めたにもかかわらず、アルファベット株は予想外にも堅調に推移しました。投資家らは、この米司法省の要求が広告部門全体の売却ではなかったため、それほどの損害となるとは見ていないようです。
FRBの12月利下げ観測後退でセンチメント悪化
しかしながら、12月のFOMC会合での金利据え置きの確率が高まる中、米株式市場は株価上昇となる新たな材料を必要としています。FRBメンバーは、インフレが下振れ軌道にとどまることに自信を見せているものの、今週の発言では、12月の利下げを確約するには至っていません。
12月のFOMC会合にて、0.25%の利下げが行われる確率は、ここ数日で約60%から50%近くまで低下しました。本日は、シカゴ連銀グルースビー総裁、FRBバー副議長、そしてクリーブランド連銀ハマック総裁による発言が予定されています。市場はまた、本日の失業保険申請件数、そして明日の11月の米PMI速報値に注目することになるでしょう。
米ドル安定、日銀植田総裁の発言で円高進行
本日の米ドルは、米国債利回りが若干低下したにもかかわらず、ほとんどの主要通貨に対して昨日の上昇を維持して安定して推移しました。しかし、日銀植田総裁による本日前半の発言で、日本円だけは例外として反発しました。
植田総裁は、12月の政策会合での利上げについて否定せず、選択肢を残しているように見える一方で、政策決定には為替レートの変動がインフレに与える影響も考慮することを示唆しました。
米ドルは154円をわずかに上回る水準まで下落した後、若干反発しました。日本の10月のCPI指数は23:30(GMT)に発表となるため、注目となるでしょう。
ゴールドは再び上昇、OPECプラス決定への憶測から原油価格上昇
ロシアとウクライナ、そして西側諸国間での緊張が高まる中、ゴールドは10日ぶりの高値である2,671.49ドルまで上昇しており、4日連続で続伸する見通しです。バイデン大統領がウクライナに対して、ロシア国内での長距離ミサイル使用と、対人地雷の供給許可を決定したため、ロシア側が何も反応せずに済ませるとは考えにくいでしょう。
市場がロシアからの何らかの報酬を待つ中、ゴールドは引き続き安全資産の大きな需要を生み出すことになりそうです。
原油価格は地政学的リスクを背景に、それほど恩恵を受けていませんが、本日の原油先物は、OPECプラスが石油生産制限の緩和開始の決定を遅らせるのではとの報道を受けて上昇しています。
ビットコインは100,000ドルに近づく
一方、米大統領選後のビットコインのラリーは一向に衰える気配がなく、本日初めて97,000ドルを突破して、98,000ドルに迫る勢いです。
他の仮想通貨といえば、今週はビットコインほど楽観ムードとはいかないようです。投資家らはおそらく、次期トランプ政権による友好的な規制環境から、ビットコインが他の仮想通貨よりも確実に後押しされると見ているようです。