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・地政学的リスクが焦点、ゴールド上昇
・リスクオフの反応から米ドルは恩恵受けられず
・市場が本日のエヌビディアによる決算報告を待つ中、株価は小幅上昇で黒字
・英CPI指数加速でポンド上昇、ビットコインは94,000ドル到達
ウクライナ紛争悪化で冷戦を呼び起こす
米国がウクライナに最初の長距離ミサイル使用を許可したことで、ロシア側が核兵器使用基準を見直すきっかけとなり、ウクライナとロシア間の紛争の進展が市場の話題を独占しています。プーチン大統領は、ウクライナの通常兵器での大規模攻撃への対応として核兵器使用の可能性を承認しました。現在の状況は、当時の2大超大国である旧ソビエト連邦と米国が、ほぼ毎日のように互いをけん制しあっていた冷戦の状況に酷似しています。
ウクライナとロシア間の紛争が悪化することと、両国からの攻撃的な発言に対して、市場はマイナスの反応を示し、ゴールドは市場がFRBによる緩和サイクルに準備していた3月上旬以来の2日連続での最大上昇幅を更新しました。ゴールドはトランプ氏による大統領選勝利によって、最も打撃を受けて下落していましたが、強気筋はここ最近の損失分の一部を取り戻すことができました。
米ドルは再び上昇できず
リスクオフのセンチメントから、米ドルは再び恩恵を受けられず、ユーロ/ドルは1.0570辺りで推移しています。通常、米ドルに好材料な進展の中で上昇できずにいるのは、ここ5日間で2回目となっています。先週、FRBパウエル議長が利下げを急いではいないと発言しましたが、米ドルの強気筋からの反応はなかったことから、ポジショニングがドル高を好材料としていないことが示唆されたようです。
本日、目立った経済イベントがないことから、市場の焦点はFRBメンバーの発言になります。FRBクック理事とボストン連銀コリンズ総裁、そしてバー副議長とボウマン理事 が本日発言する予定で、市場はFRBのハト派的見解により注目することになるでしょう。
英インフレ再加速でポンド上昇
昨日のイングランド銀行による一連の発言は、イギリスの金利の見通しにあまり影響はありませんでした。イングランド銀行としては、特にサービスインフレの加速に関してバランスを保とうと試みていますが、英政府による予算案、特に国民保険の増額案からの未知の負担によって、イングランド銀行の責務も複雑化しています。
本日の英インフレレポートからも裏付けされたように、市場はイングランド銀行の12月の政策会合ではサプライズはないと確信しています。 10月の英総合CPI指数は2.3%まで上昇しましたが、イングランド銀行ハト派のサプライズとなったのは、おそらくコアインフレが上昇したことでしょう。生産者物価指数の改善とともに、12月会合での英利下げ観測はさらに後退しました。
本日は待望のエヌビディアによる決算報告
米株価もようやくリスクオフのセンチメントを克服し、本日のエヌビディアによる決算報告を控えて、ナスダック100指数が最も上昇して、株式市場の上昇を牽引しています。エヌビディアの決算報告には、再び好調な結果が期待されているため、本日エヌビディアの決算報告が市場の失望となる場合、現在の脆弱なセンチメントがすぐにネガティブなスタンスとなる可能性があります。
ビットコインは再び最高値更新
一方暗号資産市場は依然として上昇基調で、ビットコインは地政学的リスクを無視して94,000ドルを突破して再び最高値を更新しました。11月は歴史的にも暗号資産には好調な月で、ビットコインは11月に32%も急騰しており、リップル(XRP)など他の暗号資産も米大統領選後に価値が2倍となりました。