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・トランプ氏による新内閣官僚指名続く中、市場は一段落
・本日の米CPI指数とFRBメンバーによる講演に注目
・ドイツ政府は解散総選挙に向けて準備態勢でユーロ下落
・円安進行、日本政府による口頭での介入警告再開
トランプ新政権にマスク氏加入、ドイツは解散総選挙の見通し
トランプ次期大統領は閣僚人事を順々に進めており、市場が最も注目するのは財務長官となります。トランプ氏による最新の閣僚人事は政府効率化省のトップに任命されたマスク氏で、トランプ氏とマスク氏の関係がいつまで良好で居続けるのかについて、既に憶測が広がっています。
トランプ次期大統領は、来年からの4年間の任期に向けて準備しており、市場は主に中国からの輸入品への関税発表のタイミングについて予想し始めています。欧州からの輸入品も関税の対象となると見られており、EUは米国との長期にわたる交渉、さらには米国からの仕返しの反応に対しても躍起になって準備を進めています。
これらの準備には、ユーロの最大の経済大国であるドイツのリーダーシップが欠如したままに行われることになります。ドイツのショルツ首相が12月16に行われる信任投票で敗北すると仮定して、ドイツ政府は2月23日に解散総選挙を予定しています。軟調なドイツ経済と財政難、そしてウクライナ紛争といった要因が選挙前のキャンペーンでは課題となる可能性が高いでしょう。
最新の世論調査によると、絶対過半数を獲得する党はないものと見られています。したがって、連立政権樹立に向けた長い交渉が、新首相の選出をさらに遅らせる可能性があるため、ドイツはトランプ次期大統領による貿易政策に対抗するための貴重な時間を失うかもしれません。
ビットコインの米大統領選後ラリーは一段落
一方、ゴールドとビットコインは相変わらず反対の方向に進んでいます。米大統領選の結果が迅速に発表されたことを受けて、市場はよりリラックスしているようで、最近下落したゴールドは2,600ドル付近で取引されています。また同時に、ビットコインは9,000ドルに近づいて最高値を更新し、その後利益確定の動きから若干後退しました。ビットコインは依然としてトランプ氏の大統領選勝利から最も恩恵を受けている資産です。
本日の米CPI指数に注目
同様に、本日の重要な米CPI指数を控え、米株式市場は利益確定により若干後退し、最近の上昇分の一部を還元しました。本日13:30(GMT)に10月の米CPI指数が発表され、総合CPI指数は前年同月比で2.6%に上昇し、コアCPI指数は3.3%で横ばいとなると予想されています。
エコノミストらは、本日の米インフレがサプライズとなるかどうかについて意見が分かれています。最新の米生産者物価(PPI)指数が上振れとなったことと、先月のハリケーンによる影響を指摘する声は、本日の米CPI指数が上振れとなると予想しています。一方で、大統領選による需要の低下と10月の原油価格の大幅な下落を指摘するエコノミストは、下振れサプライズを予想しています。
本日の米CPI指数が上振れとなる場合、FRBによる12月の利下げ観測が後退する可能性があり、その結果、特にユーロと日本円に対して 米ドルが上昇する可能性があります。反対に下振れとなる場合、12月の利下げ観測を大きく押し上げる可能性があります。ダラス連銀ローガン総裁とセントルイス連銀ムサレム総裁、カンザスシティ連銀シュミッド総裁が本日講演を予定しており、本日の米CPI指数への見解を述べるかもしれません。
円安進行で日本政府による介入警告
本日、10月の国内の企業物価指数が予想を上回ったにもかかわらず、日本円は米ドルに対して下落を再開しています。ドル/円は7月中旬以来初めて155円台に近づいており、日銀の警戒感が高まっています。円安進行によって、国内インフレが上昇すると予想されていますが、日銀は追加利上げを正当化するために賃金の伸びにより注目しています。