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・米大統領選はトランプ氏が主な激戦州で勝利収める
・トランプ氏の政策がインフレ加速を伴う見込みで米ドル上昇
・減税と規制緩和の見通しから株価上昇
・ビットコインは最高値更新、原油価格後退
米大統領選はトランプ氏再任確実
本日のアジアセッションでは、米ドルが2020年3月以来の一日辺り最大の上昇に向かっているようです。
米大統領選の投票は終了し、初期の開票段階では、トランプ前大統領が再任される可能性が高いことが示唆され、いわゆる「トランプトレード」に拍車がかかり、激戦州であるジョージア州でトランプ氏優勢の可能性が高まったことで、米ドルは急騰し始めました。他の主な激戦州であるノースカロライナ州とペンシルベニア州でも、トランプ氏がハリスを破っています。ペンシルベニア州での投票によって、トランプ氏は大統領の座まで残り3票となりました。
トランプ政策はインフレ加速示唆でFRBの利下げ観測後退
トランプ前大統領の政策には、大規模な減税と特に中国などの世界中の輸入品への大型関税導入が含まれており、インフレ加速を伴うと見られているため、FRBが今後の利下げのペースを減速させる可能性が高まっています。その結果、トランプ氏優勢の示唆によって米ドル急騰となっている訳です。
実際に米国債利回りも上昇しており、FF金利先物によると、市場は木曜日のFOMC会合にて0.25%の利下げを確信しているものの、12月のFOMC会合にて金利を据え置くと見る向きが高まっています。12月の金利据え置きの可能性は32%まで上昇しました。今のところ、FRBが今週のFOMC会合にて、今後の政策方針について慎重な姿勢を見せるかどうかはまだ未定です。
減税と規制緩和の見通しで米株式市場は急騰
トランプ政権下での減税と企業規制緩和の見込みから株価も上昇し、昨日の米株式市場は3指数全てが1%以上上昇し、本日の先物市場も力強く上昇することが示唆されています。
しかしトランプ再政権下での大型関税導入とFRBによる利下げペース減速によって、急激な調整による後退の可能性もあることから、米株式市場にとっては順調満帆とはいかないかもしれません。
一部の政策は、法律化するために議会を通過する必要があるでしょう。しかし、共和党が上院を確保し、下院でも優勢となっていることから、トランプ政権では、財政政策の決定時に議会の一致が見込まれそうです。
ゴールドと原油価格は後退、ビットコインは急騰
ゴールドはドル高から下落しましたが、損失幅は抑えられており、おそらくトランプ政権を巡る不確実性によって、投資家らが安全資産へのエクスポージャーを維持したためか、本日のヨーロッパセッションにて回復し始めました。
ビットコインは「トランプトレード」の一部として、本日9%以上も急騰し、最高値である75,390ドルを更新しました。
原油価格は一方で、主要なレジスタンスゾーンである72.70ドルを若干上回った水準まで上昇した後下落しました。ドル高によるコモディティ市場の下落とは別に、トランプ政策による中国経済への圧力によって、世界一の原油輸入国である中国からの需要を圧迫する可能性があります。