デイリーコメント – 米大統領選を前に市場は様子見

投稿日: 2024年11月5日19時31分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

• 注目される米大統領選挙
• ボラティリティ上昇で市場は様子見ムード
• 米ドル、米株式、ゴールドは引き続き下落基調
• 豪ドル、豪中銀のタカ派的発言からの大きな恩恵は得られず

遂に終わりを迎える米大統領選挙

2024年の一大イベントである米大統領選挙へのカウントダウンがついに終わりを迎え、あと数時間で約8000万人の有権者が米国全土で投票を行います。すでに不在者投票や郵送で投票した約8000万人とともに、次期大統領、下院議員、上院議員の33人を決定します。

米国のほとんどの州では、投票は午前2時(GMT)ごろに締め切られます。カルフォルニアは4時(GMT)に投票が終了し、最後にアラスカが午前6時(GMT)に投票を終了します。市場が注目する7つの激戦州では、午前12時から3時(GMT)の間に投票が終了します。

迅速なシナリオは、水曜日までに新大統領が誕生し、市場が新しい政権に適応し、木曜日のFOMC会合に焦点を移すというものです。裏を返すと、特に激戦州で接戦が繰り広げられれば、市場は米大統領選の最終結果を週末まで待たなければならないかもしれません。

その一方で、市場関係者は次期米大統領と主要市場への影響について議論を続けています。さらに、世界中の国々も米大統領選挙に備えています。例えば、中国では今週、中国全国人民代表大会常務委員会が開催されており、10月に発表された財政措置の実施について議論します。しかし、米大統領選挙が議論の中心になることは明らかで、特にトランプ大統領候補が当選し、同氏が力を入れている関税の引き上げをすぐに採用することになれば、なおさらでしょう。

市場は様子見ムード

市場は様子見ムードで、米国株、ゴールド、ビットコインが最も目立った動きを見せました。S&P500は9月上旬に記録した低水準以来の調整局面を迎えており、ゴールドは史上最高値を大きく下回る水準で推移しています。興味深いことに、米大統領選挙への懸念が高まる中で、ビットコインが最も落ち込み、直近記録した、高値73,500ドルから後退しています。

米ドルもまた今週、対ユーロ、対ポンドで下落しました。しかし、本日最も大きく動いたのは豪ドル/ドルです。豪中銀の政策会合では、ブロック豪中銀総裁らが最近のタカ派姿勢を維持し、サプライズはありませんでした。予測は若干下方修正されたものの、豪中銀は2026年までにインフレ率が目標レンジ内で持続的に推移し、中間値まで回復することはないと予想しています。

最初の0.25%利下げは2025年5月に織り込まれていますが、豪経済状況は中国の見通し次第であり、トランプ大統領候補が当選し2016年から2020年までの戦略を繰り返すとなると、さらに重しとなる可能性があります。

ドイツ、連立政権が脅かされる可能性

市場が完全に米大統領選に集中し、重要な経済指標である米ISM非製造業購買担当者景気指数含む本日カレンダーへの注目を外している一方で、ドイツ政府は危機に直面しています。2025年度予算の編成が、現在の連立政権を構成する3つの政党の間で新たな摩擦を生んでおり、これが連立政権の崩壊や2025年初頭の解散選挙につながる可能性があります。このような展開を背景に、ユーロは圧力を受ける可能性があるかもしれません。