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• トランプ大統領候補がハリス大統領候補との差を縮め、米選挙リスクが前面に
• 地政学的緊張が需要を高め、ゴールドは新記録で週明けを迎える
• 主要決算を控え、米株価はまちまち
トランプトレード復活
投資家が11月5日の米大統領選挙でトランプ大統領候補が勝利するとの見方をより強めたため、ゴールドは記録的な上昇記録を伸ばし、新しい週の始まりを迎えました。トランプ大統領候補が大統領に返り咲く可能性が高まる中、ゴールドは史上最高値を更新し、2,730ドル/1オンスを超えました。トランプ大統領候補は、ほとんどの激戦州で支持を拡大しハリス大統領候補を引き離しているように見え、全米世論調査でもその差を縮まっています。
イスラエルがヒズボラやハマスへの攻撃を強めるばかりで、中東紛争の停戦の見通しは立っていないように見受けられるなど、地政学的リスクが高まる中、ゴールドは大幅な上昇を続けています。しかし、イランによるイスラエルへの最近のミサイル攻撃と、土曜日のネタニヤフ首相宅へのドローン攻撃を受けて、市場はイスラエルによる報復に身構えています。
米ドル高が加速
FRBが大幅な利下げ観測を後退させるなか、米大統領選挙と地政学的リスクの高まりが最近の米ドル高を加速させています。米ドルは主要通貨に対して、先週の木曜日に10週間ぶりの高値まで上昇し、その後値を戻しましたが、月曜日には再び上昇に転じています。
米国債利回りの反発が1週間前に収束したことを考えると、ここ数セッションの米ドルの強さは少々不可解でしょう。しかし、世論調査や賭け市場がトランプ大統領候補に有利との見解から、ここ数日、「トランプトレード」が復活しています。
トランプ氏の政策、特に高関税、低税率、移民の削減がインフレを引き起こすとの見方が広がっており、これによってFRBによる利下げ観測後退、敷いては利上げすらも可能性として挙げられるため、これが米ドルの強さに寄与しているでしょう。
今週の重要な経済イベントを前に、ユーロとポンド、カナダドル下落
ビットコインはトランプトレードから恩恵を受けており、本日前半に3か月ぶりの高値となる69,500ドルを若干下回る水準まで上昇した後下落しました。ユーロとポンドは先週末の緩やかな回復後再び赤字となっています。ECBとイングランド銀行はともに、インフレ圧力が後退する中、今後12か月間でFRBよりも利下げのペースが速くなると予想されているため、ユーロとポンドが米ドルに対して再び優位に立つのが困難となるでしょう。
しかし、木曜日に発表されるユーロ圏とイギリスのPMI指数速報値がプラスとなる場合は、短期的に回復するチャンスになり得ます。
一方カナダドルは、米ドルに対して1.3800ドル台を下回って下落しており、先週の一時的な回復が反転しています。投資家は、カナダ銀行が今週水曜日の政策会合にて0.50%の利下げを行うことを確信しています。
株価は今週の決算報告が焦点に
今週、テスラやアマゾンなど大手企業が決算報告を行うため、市場は方向性を模索する中、本日の株式市場は強弱まちまちとなりました。しかし、これらの企業の決算報告の前に、米テキサス・インスツルメンツの最新の四半期報告より、市場は半導体需要の強さについて予測することになりそうです。
米経済が依然として堅調であるとの兆しが企業の収益見通しを押し上げていることから、先週の金曜日のS&P500は、最高値を更新して取引を終えました。アップル株は、中国での新iPhoneへの強い需要との報告を受けて新高値を更新し、株式市場を牽引しました。
中国といえば、中国人民銀行が本日、大方の予想通り利下げを発表して、前向きなセンチメントに拍車とかけました。本日後半の焦点は、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁とサンフランシスコ連銀デーリー総裁の講演となるでしょう。今週のワシントンでのIMF(国債通貨基金)による年次総会も世界の中央銀行総裁が講演する予定のため、注目されるでしょう。