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・本日はECB政策金利決定もユーロの下落基調の反転にはならずか
・米ドルと米株価は上昇基調
・本日のTSMCによる増益発表後、ネットフリックスの決算報告続く
・ゴールドとビットコインは需要増で上昇、原油価格は強気への起爆剤が必要
ECB会合を前にユーロの低迷は続く
ユーロは米ドルに対して引き続き低迷しています。ユーロは米ドルに対して8月2日以来の安値水準まで下落し、10月は2023年5月以来の弱い月となりそうです。この米ドルの上昇は、11月のFRBによる0.50%の利下げ期待が低下していることも一因と考えられますが、現実的には、ユーロ圏経済が米国の目覚ましい成長率に比べ、かなり遅いペースで拡大していることが関係しているでしょう。
こうした動きの中、ECBは本日12:15(GMT)に政策金利決定を発表し、その30分後に通常通り記者会見を行う予定です。現在、市場は98%の確率で0.25%の追加利下げが決定されるとほぼ確信しています。
ECBが金利を据え置くというサプライズを起こす要因はいくらでもあります。今回のECB会合は本部のフランクフルト開催ではなく、最新のスタッフ見通しの更新がないことや、9月の前回の会合からわずか5週間での実施となります。9月のインフレデータが減速したことは、ECBラガルド総裁が事前に下振れの予想を発表していたため、実際には衝撃を与えませんでした。もしECBが金利を据え置く決定を下した場合、もちろんラガルド総裁が12月の大幅な利下げを事前に発表しない限り、ユーロは1.0930ドルの水準を超えて上昇する可能性があります。
しかし、FRBもECBも市場を失望させることを避ける傾向があるため、ECBは0.25%の利下げを実施する可能性が高いでしょう。この場合、焦点はすぐに記者会見へと移り、ラガルド総裁はおそらく、さらなる金利融和への可能性を示唆するでしょうが、事前に明言することは避けるでしょう。そうであれば、ユーロには引き続き圧力がかかると思われますが、米ドル急騰を受けて利益確定売りが出る可能性もあります。
米国株に再び活気
米国株価指数は、AIと半導体需要への懸念を背景に惨憺たる結果となった火曜日のセッションから一転、昨日は上昇を記録し、流れを変えることに成功しました。第3四半期決算発表は本日も続き、ネットフリックスの決算発表は米国市場開場前に予定されています。本日発表されたTSMCの54%の増益を受けて、今後もポジティブな決算発表が続けば、ハイテク株は失った損益を取り戻し、ナスダック100が他の主要米国株式指数を上回る可能性が高まるでしょう。
しかし、市場は本日発表のデータにも注目するでしょう。最近の好調な雇用統計とインフレ率上昇のサプライズに続き、本日発表される小売売上高が11月7日のFRBによる金利据え置きに関する議論に火をつける可能性が高いでしょう。週間新規失業保険申請件数も本日発表されますが、最近のハリケーン「ミルトン」がこの数字に重大な影響を与える可能性があるかもしれません。最後に、本日はシカゴ連銀のグールズビー総裁が発言予定となり、恐らくハト派的な見解を示すと思われます。
ゴールドとビットコインは好調、原油は足元固めへ
ゴールドはドル高をよそに上昇を続け、9月26日の高値である2,685ドルに再度迫る勢いでじわじわと伸びています。この動きは、イスラエルがイランに対する報復攻撃の準備を整えているらしいという中東からのネガティブなニュースが続いていることや、中国政権が発表した最新の景気刺激策に対して市場はとりわけ懐疑的な見解を示していることが背景にあります。
一方、暗号資産は今週力強く推移しており、ビットコインが68,300ドルまで急騰し、その後少し下落しました。その反面、現在、原油は70ドルの水準をわずかに上回って推移しており、市場はイスラエルが軍事目標を攻撃し、石油施設は避けるとの見方を持っているようです。この反応は、中東の状況が流動的であることを考えると、少し不思議なものでしょう。