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・ASMLは2025年業績予想下方修正で半導体株は売りに
・英インフレとNZインフレともに減速でポンドとNZドル下落により米ドル上昇
・中東情勢から原油価格は安定、ゴールドは史上最高値更新なるか
半導体とハイテク株が急落
オランダの半導体製造装置大手ASMLが誤って決算報告を1日早く発表し、半導体需要の見通しに不安に引き起こしたため、火曜日の米株式市場は後退しました。市場に衝撃を与えたのは、ASMLの第3四半期の一株当たり利益が予想を下回ったことよりも、更新された2025年の業績予想が従来の予想から大幅に下方修正されたことでした。
この脆弱な決算報告はAI分野を除いたものであるとASMLは説明しましたが、インテル、AMD、台湾積体電路製造(TSMC)など他の半導体メーカーにも大きな打撃となりました。ASMLは15.6%の急落を記録し、エヌビディアでさえも4.5%安でセッションを終えました。
火曜日にはナスダック100が1.4%下落するなど、多くのハイテク株にも圧力がかかりました。しかし、欧州株と米国先物は本日はより堅調に推移しており、最近の強い上昇によって遅れていた調整が、昨日の暴落を悪化させた可能性が高いことを示唆しています。
英CPI指数が2%を下回り、ポンド急落
英国株FTSE100は、英国のインフレ率が予想以上に低下したことを追い風に、英国株式市場の反発を牽引しています。9月の英消費者物価指数(CPI)は同年前月比で2.2%から1.7%に低下し、予想されていた1.9%を下回る結果になりました。コアCPI指数は3.6%から3.2%に低下、サービスCPI指数は5.6%から4.9%に急減しました。生産者物価産出(PPI)指数も予想を下回り、イングランド銀行による11月の利下げ観測が高まりました。
本日のインフレ指標の発表前、イングランド銀行が3週間後に利下げを行うかどうかについて、政策立案者からの様々な意見により11月の利下げについては不透明となっていました。しかし、今回の英CPI指数によって11月の利下げが決定的になりましたが、英国のインフレ率は、エネルギー料金の上昇が予想されることから年末にかけて加速するとみられており、次回会合以降の利下げ動向はまだ不確実となっています。
とはいえ、投資家が11月の0.25%の利下げ観測をほぼ完全に織り込んだためか、ポンドは2ヶ月ぶりの安値まで下落し、直近では節目となる1.3000ドルをわずかに割り込む水準で取引されました。
NZドルとカナダドルも焦点に
本日発表された第3四半期でのニュージーランドのインフレ率が、ニュージーランド準備銀行の目標範囲とする1%から3%内に低下したため、NZドルも下落しました。2.2%という数値は予想通りでしたが、ニュージーランド準備銀行が11月の政策会合にて、0.50%の追加利下げを行う確率が押し上げられました。
しかしカナダドルは、昨日米ドルに対して10週間ぶりの安値を更新した後、安定しているようです。9月のカナダのCPI指数も軟調となり、カナダ銀行が来週の政策会合にて、0.50%の利下げを行う予想も高まっています。しかしドル/カナダドルは、今月既に約2%上昇したため、カナダのCPI指数を受けて反射的に上昇した後に利益確定となったようです。
本日の米ドルは再び上昇しており、主要通貨に対して2か月ぶりの高値まで上昇しています。ユーロは、明日のECBの政策会合と米小売売上高を前に依然として下落基調です。
ゴールドは史上最高値更新なるか、原油価格は低迷
コモディティでは、ゴールドが2日連続で上昇し、9月に更新した最高値である1オンス2,685.42ドルに近づいています。今週のドル高がFRBの動向ではなく、主に他の主要通貨の軟調さによるため、米国債利回りが小幅下落したことがゴールド上昇の背後にあると見られます。
地政学リスクも影響を及ぼしています。イスラエルがイランの石油姿勢への攻撃を完全には否定しないことが示唆されたことで、本日の原油先物は下落の一段落を試みています。