デイリーコメントーFOMC議事録公開後に米株式市場は最高値更新、本日の米CPI指数に注目

投稿日: 2024年10月10日18時44分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・9月のFOMC議事録で利下げ幅巡り対立も米株式市場は上昇基調
・米ドルは2か月ぶりの高値近くから後退、本日の米CPI指数に注目
・ゴールドと原油価格は最近の下落から堅調に推移

FOMC議事録は明瞭さを欠く

水曜日に公表された9月のFOMC議事録は、今後数ヶ月の利下げペースに関する不透明感を払拭するものではありませんでした。当局者は、利下げサイクルを開始するのに0.50%が適切かどうかで意見が分かれ、「当局者の大多数」がこの動きを支持しましたが、一部はこの意見に消極的だったようでした。

FRB幹部はまた、9月の大幅利下げが急速な政策緩和の始まりと解釈されるべきではないと強調していました。とはいえ、予想ほどハト派的でなかった議事録は市場に大きな影響を及ばすことはなく、11月の0.25%利下げ予想がわずかに低下しただけに過ぎませんでした。

米株式市場は引き続き好調

米株価は議事録発表後、一時的に下落しましたが、その後持ち直し、高値圏で取引を終えました。S&P500は史上最高値で引け、金曜日の主要銀行決算から本格的に始まる第3四半期決算シーズンに、投資家心理が高揚していることを示唆しています。

エヌビディアは、次世代の半導体「ブラックウェル」の強い需要から、最近の米株式の上昇を牽引してきましたが、上昇が一段落したため、同社の株価は水曜日に下落して引けました。グーグルの親会社であるアルファベットも、米政府にからの事業分割要求の継続的な懸念が株価の重荷となっているため、市場全体の流れに逆行して下落となりました。

世界的には、中国の最新の景気刺激策への期待によって強気心理が高まっています。火曜日の中国発改委による記者会見で新たな景気刺激策の発表がなかったことに失望した投資家たちは、今週土曜日に予定されている次の記者会見で詳細が発表されることを期待しています。具体的には、中国政府が財政刺激策によって経済、特に不動産市場をどのように回復させるかを市場は見極めようとしています。

本日の米CPI指数を前に米ドル安定

為替市場では、米国債利回りの上昇が減速する中、米ドルが主要通貨に対して2か月ぶりの高値近くまで上昇しました。米ドルは日本円に対して、昨日の下落後、149円辺りで落ちつきました。

市場は本日12:30(GMT)に発表される米CPI指数を前に様子見となる可能性が高いです。本日の米CPI指数は、総合CPI指数が2.3%まで低下するものの、コアCPI指数は3.2%で高止まりすると見られています。このCPI指数が大きく上振れサプライズとなる場合、11月での利下げの可能性が低下して、米ドルが上昇し、米株価のラリーの終焉となる可能性があります。

ゴールドの下落は一段落、イスラエルの次なる攻撃に警戒感で原油価格下落

米CPI指数が予想以上に上振れとなる場合、1週間続いた下落がやっと一段落したゴールドにとってはマイナスとなり得ます。米ドルが9月の安値から回復する中、ゴールドはゆっくりと後退しています。中東の緊張の高まりによって、ゴールドは支えられていますが、イスラエルがイランによる攻撃への対応を熟考する中、原油価格は今週急落しました。

本日の原油先物は小幅上昇していますが、イスラエルが数日以内に攻撃を開始しない限り、再び後退する可能性があります。