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・中国政府は追加刺激策見送りでリスクセンチメント後退
・FRBメンバーは追加利下げに慎重ながら支持
・木曜日の米CPI指数前に、米ドルと米株式市場は下落へ
中国政府は新たな刺激策見送りで、市場に失望感
中華人民共和国国家発展改革委員会(NDRC)は、本日の記者会見にて、新たな景気刺激策を見送りとしたことから、新たな楽観ムードが多少後退しました。中国のトレーダーらは、大型連休明けとなる本日、政府が低迷する経済を救済する大型刺激策をさらに打ち出すのではと期待していました。
その代わり打ち出された1000億元の投資計画を前倒しするとの決定は、投資家の期待に沿うことができませんでした。それにもかかわらず、中国株はこれまでの休日分を取り戻すべく急上昇して取引を終えましたが、世界中の株式市場は赤字となりました。
FRBメンバーの発言も米ドル上昇とならず
しかし、市場の期待外れは、中国に限ったことではなく、FRBメンバーによる講演内容でも市場の予想に変化がありました。昨日は、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁とクーグラー理事、そしてセントルイス連銀ムサレム総裁が発言をし、その内容は追加利下げの可能性を支持したものの、0.50%の大幅利下げの必要性はほとんどないとのバランスの取れたものでした。
先週金曜日の予想以上に好調な雇用統計から利下げ観測は大幅に後退しましたが、昨日の発言を受けて、11月と12月にそれぞれ0.25%の利下げを行うとの予想で安定しました。しかし、米株式市場は下落して取引を終え、本日も先物は横ばいとなっています。
米ドルもまた本日下落基調で、主要通貨に対して7週間ぶりの高値を更新した6日連続の上昇は一段落しました。現在の焦点は、木曜日の9月の米CPI指数となっており、11月のFOMC会合での追加利下げが行われるかどうかについて、さらに疑問が投げかけられる可能性があります。その前に、明日の9月FOMC会合議事録が公開となり、FRBメンバーが予想外に0.50%の利下げに踏み切った背景がより深く読み取れることになるでしょう。
日本円は上昇、豪ドルは下落
その他では、石破新首相が先週、金融政策の正常化を支持する立場を翻す発言をしたことで、円安となっていましたが、日本円は2日連続で上昇しました。
中国政府が新たな刺激策を見送りしたことで、豪ドルに圧力となり、オーストラリア準備銀行が、本日公開された前回会合での議事録にて、将来的に追加利上げの可能性もあると示唆したにもかかわらず、豪ドルは最も下落しました。ニュージーランド準備銀行が明日の政策会合にて、0.50%の利下げを行うと予想されていることから、現在NZドルの動向が注目されています。
ゴールドと原油価格は下落
本日のゴールドは、ドル安にもかかわらず、引き続き下落しています。本日の米国債利回りの低下は小幅となったことから、この下落はトレンドの反転ではなく、調整の動きであると言え、しばらくは、ゴールドの強気筋を抑制する可能性があると言えます。それでも、2,630ドルでのサポートにより、特に中東情勢の悪化に対して緊張が高まる中、短期的に回復する可能性もあります。
原油価格も下落基調で、イスラエルが先週のイランによる攻撃にどのように反応するのか、世界中が固唾を飲んで見守る中、約2.0%下落しました。イスラエルがまだ報復攻撃を行っていないとの事実は、イスラエルが慎重となっていることを示唆しており、短期的に原油価格にとってマイナスとなる可能性があります。その間、イスラエルはレバノン南部を攻撃し続けており、中東紛争の終焉はまだ見えません。