デイリーコメントー本日の米雇用統計で米ドルまたは株価は上昇となるか

投稿日: 2024年10月4日18時17分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・本日の米雇用統計に注目集まる
・非農業部門雇用者数は14万件増加の予想も上振れサプライズの可能性も
・一連の好調な米経済データで米ドル上昇も、株式市場は軟調な米経済データ待ち
・ユーロ下落続く、ゴールドと原油価格は上昇

米雇用統計はサプライズをもたらすのか

10月の中で最も重要な米雇用統計発表が目前となりました。本日12時30分(GMT)に発表予定の、非農業部門雇用者数は前月比14万人増と予想され、予想レンジは7万人から22万人と設定されています。失業率は4.2%、平均時給の伸びも3.8%でおそらく横ばいとなると予想されています。

これまで発表された経済指標は強弱さまざまとなっており、ISM製造業購買担当者景気指数は期待外れだったものの、週間失業保険申請件数とISM非製造業購買担当者景気指数が予想以上となったため、本日の米雇用統計が上方サプライズとなる可能性を高めています。本日は特に、非農業部門雇用者数が20万人台を上回る増加となる場合、最もハト派的なFRB幹部も11月7日のFOMC会合での利下げについての意見を控えざる得ないかもしれません。

このような結果になれば、現在35%の確率とされている11月の0.50%利下げ可能性は減少し、米ドルはさらに上昇する可能性があります。FRBによる0.50%利下げ観測の後退と中東情勢を背景に、今週は米ドルにとってかなり強い週となり、ドル指数は3月中旬以来の好調な勢いとなっています。

米株価は、好調な米ドルに反し、欧州株式市場の低迷に牽引され、週足ベースでマイナス圏に留まっています。火曜日のイランによるイスラエル攻撃によって引き起こされたリスクオフは、昨日、バイデン米大統領が「イスラエルがイランの石油施設を攻撃することについて協議している」と発言したことで、さらに拍車がかかりました。

本日発表予定の米雇用統計が10万人を下回り、失業率が急激な上昇をした場合、現在の米株式市場のネガティブムードを一時的に反転させる可能性があります。興味深いことに、2024年第3四半期の決算発表が、10月11日から米国の主要銀行が発表していくため、米株式市場が徐々に注目を集めることとなりそうです。

ユーロは引き続き下落基調、ポンドは回復試みる

10月のECB会合では予測が不足し、会合がフランクフルト本部から離れて開催されるにもかかわらず、多くのメンバーが利下げを支持すると見える中、ユーロは下落基調となっています。本日、一連のECBのメンバーによる講演が予定されていますが、本日の発言内容はこれまでの発言から逸脱しない可能性が高いでしょう。

イングランド銀行ベイリー総裁が利下げにもっと積極的となると示唆したことは、市場の予想外であったため、すぐに売りが促され、昨日のセッションにてポンドは予想外にマイナスのサプライズとなりました。11月のイングランド銀行の政策会合での利下げは、ほぼ完全に織り込まれている中、英経済データも0.25%の追加利下げを裏付けしています。イングランド銀行は、英新政権による財政調整計画とFRBがさらに大幅緩和を正当化するとのハト派的見解を支持しているのかもしれません。

原油価格とゴールドは上昇基調

イスラエルとイランが毎日のように一連の攻撃を続ける中、現時点では両国間での停戦の可能性は低いと言えるため、原油価格の上昇が続く可能性があります。WTI原油先物は、16か月ぶりの安値から急速に回復し、1月ぶりの高値で推移しています。

一方、ゴールドは株価市場の低迷から恩恵を受け、ドル高の影響されることなく、最高値を若干下回った水準を維持しています。より保守的な投資家たちが、ビットコインが危機の状況にて安全資産として機能することに、まだ確認していないため、ビットコインと他の仮想通貨の売りが、ゴールドの価格を支える可能性もあります。