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・中国政府による景気刺激策と欧米中銀による利下げ観測から株価上昇
・本日の注目のPCE物価指数を控え、米ドルは不安定
・石破新総裁誕生で日銀への利上げ観測高まり円高
・ゴールドは史上最高値更新後後退
中国の景気刺激策を受けて市場は好調
中国の最新の景気刺激策を受けて中国経済の見通しに対する楽観論が再燃し、FRBとECBがソフトランディングの実現に努めるなか、中国株式市場は明るいムードで今週を終えそうです。
上海と深圳は数週間以内に住宅購入規制が撤廃されると伝えられている中、火曜日の発表の通り、本日未明、中国人民銀行は7日物リバースレポ金利を0.2%、預金準備率を0.5ポイント引き下げました。
中国政府が今週発表した一連の措置には、2兆元の特別国債の発行が含まれており、さらに1兆元が国有銀行に資金注入され、これらは融資と個人消費を促進することを目的としています。10月1日から始まる国慶節連休を前に、さらなる措置が明らかになる可能性があります。
中国の主要株価指数は、景気刺激策の発表を受けて10%以上も急騰しました。何よりも投資家たちは、中国政府が経済を再起させるために必要なことは何でもやるという姿勢をようやく示したことに安堵しているようです。
FRBとECBの利下げへの憶測飛び交う
欧米市場にも楽観ムードは広がっており、FRBとECBが数か月以内に借入コストを引き下げるとの期待もポジティブなセンチメントになっています。S&P500は、今年42回目の最高値更新となりました。
投資家は現在、11月のFOMC会合で0.50%の利下げの可能性を五分五分に織り込んでいます。昨日の確率は60%でしたが、第2四半期の米GDP成長率が3.0%となり、8月の耐久性受注も予想を大幅に上回り、週次失業保険申請件数も低水準を保ったことから、市場では現実を見直す機会となりました。
本日の個人消費とPCEインフレ指数の発表によっては、市場はさらに現実を見直す可能性があります。コアPCE指数は前年比で2.7%まで小幅上昇する可能性があり、FRBによる次回会合での0.50%利下げを正当化するのが難しくなりそうです。
しかし、ユーロ圏の経済データは予想以上に下振れとなっており、投資家はECBが次回会合での金利据え置きの示唆に関して見解を改めるのではと見て、10月のECB会合での0.25%の利下げの確率が押し上げられています。
ユーロ下落、円安から円高へ、ゴールドは最高値から後退
しかし、来年にかけてFRBによる利下げ幅はECBによる利下げ幅を上回ると予想されていることから、ユーロの急激な売りはないようです。ユーロは1.1135ドル辺りを下回って取引されており、米ドルは日本円に対して1%ほど下落しました。
日本の元防衛大臣である石破氏が与党自民党の党首選に勝利し、岸田首相の後任として首相に就任することが決定しました。この党首選が拮抗したことで、日本円のボラティリティが増大し、市場は対立候補であった高市氏の勝利を予想していたため、石破氏勝利の結果発表後、日本円は大きく変動しました。高市氏は日銀の利上げに反対的で知られており、一方石破氏は金利政策の正常化へ転換に賛成しています。本日はまた、9月の東京での総合消費者物価指数が2.0%に低下したことが示唆されたため、このデータがなければ円高がさらに進行していた可能性があります。
しかしドル安の全般的な回復力は、本日のゴールドにもいくらか重荷となっているようで、ゴールドは史上最高値である2,685ドルから若干後退しました。しかし、来年に向けての世界的な金利低下の見通しと中東での緊張の高まりによって、ゴールドの上昇トレンドは維持されています。