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・FRBによる今後の大幅利下げ観測高まり、米ドル下落
・英中銀は金利据え置きも今後の利下げは慎重
・日銀も金利据え置き決定、植田総裁は追加利上げ示唆
・S&P500とダウ・ジョーンズ、ゴールドは史上最高値更新
FRBの大幅利下げ決定でリスクオン
昨日の米ドルは下落基調で、特にリスク関連通貨である豪ドルとNZドルに対して下落しましたが、安全通貨である円とスイスフランに対してはやや回復しました。
FRBが0.50%の利下げを決定し、年内にさらに0.50%の利下げを実施する可能性があることを示唆しましたが、同時に米国経済の状況について懸念はないと表明したことと、株式市場の上昇とが相まってリスク選好度が高まったことが示唆されます。
ハト派的な結果によって、市場参加者は年内にさらに0.72%相当の利下げを実施するとの見通しを立てており、11月にさらに0.50%の利下げが実施される可能性は40%とされています。
このことを念頭に置いた上で、他の主要中央銀行がFRBより緩やかなペースで利下げを行うと見られるため、FRBが積極的な利下げを続ける必要がないことをデータが示唆するまで、米ドルは下落傾向となる可能性があるでしょう。
英中銀は金利据え置きも慎重姿勢
米ドル安とは別に、ポンドはイングランド銀行の決定からも恩恵を受けました。イングランド銀行は、たった一名の委員会メンバーが利下げに投票し、政策金利を5.0%に据え置くことを決定しました。イングランド銀行は今後の利下げについて慎重に判断するとしており、FRBよりはるかに緩やかなペースでの緩和政策への期待を裏付けました。
完全に織り込み済みだった11月の会合での0.25%の利下げの可能性は、現在では75%となり、投資家は年内までに0.4%相当の利下げを予想しています。今後発表されるデータによって、英国のインフレの粘着性が示唆される場合、この確率はさらに後退し、ポンドはさらに上昇する可能性があるでしょう。
日銀は金利据え置きも追加利上げ示唆
本日のアジアセッションでは、日銀も金利を据え置くと決定し、国内の賃金が上昇する中、物価についても上方修正されました。政策会合後の記者会見にて、植田総裁は、ここ最近の国内の経済データから、基調的なインフレの見通しを上方修正する可能性を示唆し、経済が見通し通り推移する場合は、利上げを続けると述べました。
市場は年内に追加0.10%の利上げが行われる可能性が引き続き高いと見ていますが、リスクオンのセンチメントによって、日本円はこの発言から恩恵を受けませんでした。
株価とゴールドは史上最高値更新で上昇中
米株式市場では、ダウ・ジョーンズとS&P500が史上最高値を更新し、ナスダックも約2.50%上昇しました。景気後退への懸念後退と年内の追加利下げ観測の組み合わせは、株式市場とっては絶好の好材料となるため、FRBの政策決定によって、投資家がリスクエクスポージャーを増大できたようです。
ゴールドもまた史上最高値を更新し、FRBの決定だけでなく、インド政府による輸入関税の引き下げを受けて、インドの消費者間でゴールドジュエリーや延べ棒の需要が急騰していることから恩恵をうけました。