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・FRBは昨日のFOMC会合にて0.50%の利下げ発表
・更新されたドットプロットでは12月までにさらに合計0.50%の利下げ示唆
・米株式市場は赤字で終了、先物は上昇を示唆
・本日は英中銀による政策決定、明日は日銀による政策決定が続く
緩和サイクルの始まり
FRBは0.50%の大幅な利下げで緩和サイクルを開始し、年末までにさらなる利下げを行うことを示唆しました。新たなドットプロットでは、年末までにさらに0.50%相当の利下げが行われるとしており、これは、11月と12月の残りの決定で、0.25%ごとの引き下げを行うか、または11月は何も行わず、12月に0.50%の引き下げを行うことが示唆されています。
決定後の記者会見でパウエル議長は、経済は全体的に安定しており、良い状態にあるため、今回の決定はそれを維持するためのものだと述べました。つまり、パウエル議長は、米国景気後退の可能性は高くないとみているということです。
米ドルは下落するもすぐに回復
大幅な0.50%の利下げは市場でも大方予想されていましたが、エコノミストの多くが0.25%の小幅利下げに傾いていたためか、利下げ決定時に米ドルは下落しました。しかし、パウエル議長が景気後退の差し迫ったリスクはないと発言したことで、強気派は再び動き出し、米ドルは利下げ発表後の損失の大部分を回復しました。
しかし、この反発は強気の反転を示唆するには十分なものではありませんでした。おそらくこれは、FRBの動きが市場が予想したほどハト派的ではなかったものの、タカ派的でもなかったからでしょう。この決定がなされる前、投資家は0.50%の利下げが主力と見なし、年内にさらに0.65%相当の引き下げを行うと予測していました。今回の0.50%の利下げが決定後、この予想は0.70%に押し上げられました。
今後、米ドルがより安定した復活を遂げるためには、FRBが引き続き利上げに積極的となる必要性がないことを裏付けるようなデータが入ってくる必要があるかもしれません。しかし、他の主要中央銀行はすでにFRBよりもスムーズなペースでに利下げに着手していると見られており、米ドルは当面、下落基調となる運命にあるのかもしれません。
米株式市場は赤字も先物は堅調な回復を示唆
米株式市場はFOMC会合決定時は上昇しましたが、その後下落して赤字で取引を終えました。パウエル議長は、米経済は良い状態であり、この状態を維持するために必要な行動をとると強調したことから、本日の先物は堅調な上昇を示唆しています。大幅利下げへの期待と堅調な経済パフォーマンスによって、市場は借入コストの低下と現在価値の再上昇の見通しを歓迎し始めたようです。
ゴールドはFRBの大幅利下げの決定後、急騰して新高値を更新しましたが、米ドルの回復とともにすぐに下落しました。しかし、本日は強気筋が戻ってきています。金利が今後も引き下げられると予想される中、ゴールドが再度未知の領域まで上昇するのは時間の問題かもしれません。
英中銀と日銀は今週の会合にて金利据え置きか
本日はイングランド銀行による金利政策決定となります。イングランド銀行は大方金利を据え置くと予想されており、投資家らは本日の会合での0.25%の利下げの確率を20%ほどに織り込んでいます。
そうは言っても、今年の残り2回の政策会合では、0.25%の利下げがそれぞれ織り込まれています。したがって、英インフレの粘着性によって、今後の利下げを明確にするのかは疑問が残ります。
明日のアジアセッションには、日銀による政策会合決定となります。今回の会合では、現状維持となると見られていますが、トレーダーらは、次回の利上げの可能性についての手掛かりを探すことになりそうです。