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・本日の重要なFOMC会合決定を前に市場は方向性欠く
・市場は60%の確率で0.50%の利下げ支持
・米株式市場とゴールドも本日のFOMC会合に注目
・英インフレは粘着性示唆でポンド反発
FRBによる利下げの行方
米ドルは火曜日にほとんどの主要通貨に対して回復しましたが、今日の早朝には再び下落しました。これは本日、FRBによる利下げサイクルが開始すると見られていますが、トレーダーは明確な方向性を決めかねているためででしょう。
投資家は、FRBが利下げを行うかどうかではなく、利下げ幅がどれだけとなるのかを気にしています。言い換えれば、利下げは決定事項となっていますが、利下げ幅については不明確ということです。
FRBの利下げは0.25%か0.50%か
米労働市場軟化の兆候と、FRBメンバーが実際に0.50%の利下げで緩和サイクルを開始することを検討しているとの報道を受けて、市場は0.50%の利下げの確率を60%と織り込み、残りの40%は0.25%の利下げを支持しています。年末までの利下げ幅は合計で約1.16%と見込んでいるようです。
そうは言っても、アトランタ連銀によるGDPNOWでは、第3四半期のGDP成長率が3%と堅調に推移すると上方修正したため、大幅な利下げへの差し迫った必要性はなく、0.25%の利下げが賢明な選択であるように見えます。
しかし、FRBが本日0.50%の利下げを決定するとしても、ドットプロットは市場が予想するほどの利下げ幅を示唆しないかもしれず、切迫した景気後退の兆しがないことからも、パウエル議長は前倒しと位置付けて大幅利下げを正当化するかもしれません。
FRBが市場の期待するほどハト派とはならない場合、米ドル上昇と米国債利回りの反発となる可能性があり、FRBが市場のハト派への期待に沿うのは非常に難題であることが示唆されています。
本日のFOMC会合決定に米株式市場はどう反応するか
株式市場も本日はFOMC会合決定を前に慎重なようです。ナスダックは0.20%上昇しましたが、S&P500とダウ・ジョーンズでの昨日のセッションは実質的に横ばいとなりました。
米ドルと米国債利回りは、FRBが予想よりもハト派とはならない場合は反発という形で反映されますが、株式市場の反応は複雑です。景気後退の見通しはないと示唆される場合、たとえFRBが予想の利下げ幅以下で金利を引き下げたり、今後の利下げの方向性を示唆するとしても、投資家はリスクエクスポージャーを増大させるかもしれません。
ゴールドは、FRBが予想よりもハト派とはならない場合に後退するかもしれませんが、地政学上の緊張から、ゴールドの下落は限定的で短命となる可能性が高いでしょう。FRBによる利下げは、たとえ予想よりも遅いペースだとしても、利回りを生まないゴールドにとっては有利な展開となる傾向があります。
明日の英中銀会合を前に英インフレ粘着性示唆でポンド上昇
その他では、本日イギリスの8月のCPI指数にて、インフレ率が依然として粘着性を示したことから、本日のポンドは反発しました。英総合CPI指数は、7月に2.0%から上昇した後、8月は前年比で2.2%と横ばいとなり、コアCPI指数は前年比で3.6%と高止まりしました。
このCPI指数によって、明日のイングランド銀行による金利政策会合での利下げの確率は一層低下し、他の中央銀行とは対照的に追加利下げを急ぐことはないようです。明日の会合では、イングランド銀行は金利を据え置く可能性は75%と見られています。
日銀も金曜日の政策会合にて金利を据え置くと予想されていますが、市場は他の中央銀行のように利下げの手掛かりを探るのではなく、次の利上げがいつになるかの手掛かりを探ることになりそうです。