デイリーコメントー今週水曜日のFOMC会合決定を控え、市場は様子見ムード

投稿日: 2024年9月16日18時09分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・為替市場は強弱まちまちの中、円高進行
・先週の株式市場は今年で最高のパフォーマンス
・トランプ氏に対する再度の暗殺未遂
・ビットコイン下落、ゴールドは新最高値更新

今週の株式市場に期待高まる

米株式市場は先週の見事な回復を受けて、今週も非常に重要な週を迎えました。先週のS&P500とナスダック100指数はともに、2023年11月以来最高のパフォーマンスとなりました。この改善の背景には、今週のFOMC会合での利下げ観測の変化があるようです。先週の米経済データ、特に生産者物価(PPI)指数と輸出価格物価指数の軟化と、FRBが0.50%の利下げを検討しているとのウォールストリート・ジャーナルの報道を受けて、市場は現在、水曜日のFOMC会合において、0.50%の利下げの確率を59%に上方修正しています。

米株式市場のラリーがハイテク株と一般消費材株によって牽引されていることは注目すべきことです。この2つの循環株は、経済の見通しの改善から恩恵を受け、景気減速の見通しからは通常打撃を受ける傾向があります。しかし、土曜日の中国の経済データが引き続き市場の期待外れとなっており、景気減速への懸念が依然として維持されています。

特に、中国政府は個人消費を後押しできておらず、中国の小売売上高の伸びは下降スパイラルであることからも非常に顕著となっています。住宅セクターの問題も解決されておらず、中国は引き続き世界経済の成長にとって強い逆風となり得るでしょう。

米大統領選に引き続き焦点

アナリストらは、米大統領選候補者間での討論会の内容を引き続き分析しています。世論調査によると、ハリス氏がわずかに有利となったものの、重要な州を巡る争いでは、両候補者ともに広告キャンペーンや地方集会を大規模に増やしています。

こうした二極化した環境の下、トランプ氏への暗殺の試みが再度未遂で終わりました。トランプ氏は、この状況を利用して支持者を集結させる可能性が高いと思われますが、トランプ氏が1か月以内で2回も暗殺のターゲットとなったことは、明らかに懸念の兆しとなります。

日本円以外のFX市場は比較的静か

先週の米ドルとユーロは、市場が今週水曜日のFOMC会合に向けて準備を進めているため、共に強弱まちまちのパフォーマンスとなりました。明日の米小売売上高によって、米経済の低迷を裏付ける場合、水曜日のFOMC会合決定全体の発言内容に影響を与える可能性があります。

一方、日本円は日銀と他の主要中央銀行との金利政策の乖離から恩恵を受け続けており、主な通貨ペアであるドル・円は2023年7月以来の最安値を更新しました。国内経済データは依然としてポジティブであるにもかかわらず、市場は12月の政策会合まで日銀は0.10%の追加利上げはしないと高い確率で予想しているため、今週の日銀の政策会合は平穏な展開となりそうです。

ゴールドは新最高値更新

FRBによる大幅利下げ観測の高まりとロシア政府が核兵器の使用について積極的に発言していることから、ゴールドが押し上げられ、新最高値を更新しました。ここ数か月間、中国人民銀行がゴールドを購入しなかったにもかかわらず、現時点では、ゴールドは2,580ドルを超えて上昇しています。

反対に、ビットコインは再び61,000ドル台を更新することができず、その後大きく下落しています。先週の米大統領候補者討論会がビットコインには強い逆風となる中、暗号ETFに対する需要の欠如が最近の弱気トレンドに拍車をかけています。