デイリーコメントー本日の米CPI指数を控え、株式市場は方向性に欠ける

投稿日: 2024年9月11日17時53分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・本日の米CPI指数を前に株式市場は強弱まちまち
・本日の米CPI指数は予想外に下振れとなる可能性大
・昨日の米大統領候補者討論会が見出しを独占
・ゴールドと日本円が上昇する中、ビットコイン下落

株価は期待モード

昨日の米国株価指数はまちまちで、ナスダック100は上昇し、NYダウは欧州株価指数の低迷に続くように下落しました。市場参加者は、来週のFOMC会合、本日の米インフレ統計、そして明日のECBの政策会合などの重要な市場イベントに向けて準備している可能性が高いと言えます。

本日12:30(GMT)には、8月の米消費者物価(CPI)指数が発表されます。エコノミストは、7月の2.9%から2.6%への鈍化を予想しており、もし予想通りとなった場合、年間成長率は2021年4月以来の低水準となります。食品価格とエネルギー価格を除いたコアCPI指数は前年比3.2%増を維持すると予想され、最近の粘り強さが確認されることになりそうです。

しかし、原油先物の下落により、総合CPI指数が下振れする可能性は高いでしょう。2023年の原油価格は、月ごとに2.3%の増加を見せましたが、先月は7%の下落を記録しました。これは総合CPI指数はさらに大幅に鈍化する可能性があり、コアCPI指数との乖離がさらに拡大するため、来週のFOMC会合での利下げ議論がやや複雑になることを意味するでしょう。

米大統領候補者討論会後の市場への影響は限定的

昨日、トランプ氏とハリス氏の間で最初の大統領選候補者討論会が行われ、両者ともに勝利を宣言しました。トランプ氏が移民問題とバイデン政権下での脆弱な財政スタンスに焦点を当てた一方、ハリス氏はトランプ氏の前科と混沌とした経営スタイルを強調しました。

民主党の大統領候補者としては、6月のバイデン氏の討論会に比べると、ハリス氏は間違いなく優れたパフォーマンスとなり、ハリス氏が11月の大統領選前に、もう一度討論会を要求したのも納得がいきます。

前回のトランプ氏とバイデン氏の討論会よりも5100万 人多くの視聴者を集めたと示されており、ハリス氏が民主党の公式大統領候補に指名された際の大きな反響と大統領選が残り60日を切ったという事実からも、この注目度は裏付けされます。市場の反応としては、ビットコイン下落とゴールド上昇となり、影響は限定的であるようです。

ビットコイン下落、ゴールドは上昇

本日のビットコインは、4セッション連続の黒字の後、再び赤字となり、仮想通貨に圧力がかかっています。ビットコインは、依然として今年約33%上昇しており、米株式市場と同様に9月はパフォーマンスの弱い月となっています。ゴールドに関しては反対のようで、9月は季節柄、パフォーマンスの良い月と考えられています。このため、ゴールドは最高値である2.532ドルに向けて再び上昇しています。

円高進行、ポンドは下落

本日、クロス円は再び赤字となっており、日銀の中川審議委員が、国内インフレが予想通り推移する場合は引き続き利上げを行うと発言したことから、円は恩恵を受けているようです。この発言は、日銀が来週の政策会合にて利上げをする必要がないとの昨日の報道の後、市場が年内の追加利上げ幅をわずか0.08%と織り込んだことを受けての発言となります。

最後に、本日のイギリスの経済データでは、7月の英GDPと鉱工業生産がともに期待外れとなりました。19日のイングランド銀行による政策会合での0.25%の追加利下げの確率は、依然として低いままですが、来週の英CPI指数が決定的となる可能性があります。