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・9月の米利下げが現実味を帯びる中、株価は週次上昇を更新
・今週のジャクソンホール会議を前に、市場は準備態勢に
・ユーロ/ドルは重要なレジスタンスゾーンに直面
・地政学的なリスク高まり、ゴールドへの需要増大
強弱まちまちの米経済データで株価上昇
ここ最近の暴落後、先週の米株式市場は大幅に上昇し、市場は引き続き回復基調です。主な米株式3指数が同時に2023年12月以来初めて2%以上の週次上昇を更新する中、特に、ナスダック100指数は週次5.4%上昇し、株式市場の上昇を牽引しました。
先週発表された米国の強弱まちまちの経済データが、市場のムード改善に重要な役割を果たしたと思われます。7月の米CPI指数はやや下振れしたため、9月のFRBの利下げ観測が強まりました。緊急利下げや来月に0.5%の利下げを求める過激な意見は、株式市場が上昇したことにより、現在は和らいでいます。しかし、9月上旬の非農業部門雇用者数が大幅に減少する場合、来月の大幅利下げを望む一部の声もあります。
金曜日に発表された米国小売売上高はなんとかサプライズで上向きましたが、市場は相変わらず好調なデータを軽視しています。その代わりに、先週の不調な住宅指標や、主要なミシガン大学消費者信頼感指数が低水準にとどまるなど、景気後退を示唆するデータに注目しています。
ジャクソンホール会議でのFRBハト派転換に期待高まる
焦点は次第に、8月22日から24日にかけて開催されるジャクソンホール会議に移りつつあります。最近の市場暴落の間は、ほとんどのFRBメンバーが様子見の姿勢を見せましたが、先週後半、何人かのメンバーは発言を明確にして、今週金曜日のパウエル議長の講演へのお膳立てをしました。
発言内容は、緩和サイクルの最初の利下げの時期が近いというものでした。本日は、タカ派で知られるウォラー理事が講演予定で、今週のジャクソンホール会議を前に、FRBのメンバーの発言が続くことになります。
それまでは、ユーロ圏と米国の製造業と非製造業での8月のPMI指数の速報値が、市場のセンチメントに影響する可能性があります。米ドルは依然として低迷しており、8月は主要通貨に対して下落し、ユーロ圏の経済データが月並みであるにもかかわらず、ユーロ/ドルは引き続き小幅上昇しています。
木曜日に発表となる一連のユーロ圏のPMI指数が軟調となる場合、ユーロ/ドルが現在、主要なゾーンである1.1032ドルから1.1095ドルで取引されているため、ようやく米ドルがここ最近の損失分の一部を回復する可能性があります。 このゾーンは、2023年以降明らかにユーロ強気派にとっては課題となっており、過去18か月間で4回突破を試みたものの、無残に失敗に終わっています。
ゴールドは最高値更新、ビットコインの上昇に終止符
ゴールドの需要は依然として高く、最高値を更新して上昇していますが、ビットコインは6万ドルを下回りました。ハマスの最高指導者暗殺の報復として、イランが武力誇示をするのではと予想される中、イスラエル対イラン・ハマスの情勢は引き続き流動的となっています。また、ブリンケン米国務長官が紛争地域を訪れていることから、停戦交渉は再び膠着しています。
一方ウクライナが、ロシア・ウクライナ紛争の情勢を反転すべく、ロシア領内に攻撃を仕掛けており、ウクライナの勢いが増しています。しかし、ベラルーシによる直接関与の可能性と、ロシア側からの大規模な反撃の機会が高まっていることから、投資家の懸念がさらに高まる可能性があります。