マーケットコメントー予想を下回る米PPI指数で、本日の米CPI指数を前に市場のムード向上

投稿日: 2024年8月14日18時46分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・予想を下回る米PPI指数で株価上昇、本日の米CPI指数に注目
・NZ中銀は本日利下げ発表、追加利下げも示唆でNZドル下落
・予想を下回る英インフレデータでポンドも下落
・米ドル下落でゴールドは最高値辺りを維持、中東情勢の緊張続く

本日の米CPI指数を前に市場のムード向上

7月の米生産者物価(PPI)指数が予想を下回り、本日の消費者物価(CPI)指数も下振れするとの見方が強まったことから、火曜日の株式市場の反発は一段と強まりました。

本日発表の米国の7月の総合CPI指数は前年比3.0%で横ばいと予想されますが、コアCPIは前年比3.2%まで若干低下すると予想されています。

この米PPI指数は米株式市場の回復への追い風となり、S&P500は1.7%上昇し、ナスダック100は2.5%上昇しました。しかしながら米ドルは、米国債利回りの動きはより緩やかであったにもかかわらず、急落しました。

景気後退リスクが再び低下しているため、本日発表の米CPI指数が明るいムードに水を差すことはなさそうですが、予想を上回る高水準となれば、米株式市場の持ち直しに影響を与える可能性があります。投資家は、来週開催されるジャクソンホール会議でのFRBのパウエル議長の基調講演を待つ間は、傍観することを好む可能性があるため、本格的なパニックに陥る可能性は低いでしょう。

NZ中銀は本日利下げ発表でNZドル下落

市場の楽観ムードに拍車をかけているのは、世界の主要中央銀行が利下げに徐々に賛同していることです。ニュージーランド準備銀行は本日、緩和サイクルを開始し、0.25%の利下げを発表しました。この決定はトレーダーにとっては全く予想外ではありませんでしたが、エコノミストらは、NZ中銀が今会合では金利を据え置くと予想していました。

しかし、NZ中銀が年内に少なくてもあと1回の利下げを示唆したことから、NZドルは米ドルに対して1%下落しました。また、このNZドルの下落幅は、昨日の米ドル下落より誇張された可能性がありますが、NZ中銀が完全にハト派に転換したことから、短期的にNZドルが後退する可能性が高いでしょう。

英CPI指数は予想を下回り、ポンド回復ならず

本日7月の英CPI指数が発表され、総合CPI指数が前年比で予想の2.3%に対して2.2%と予想を下回りました。さらに重要なことに、サービスCPIが前年比5.7%から5.2%まで減速したことが示され、昨日の賃金の伸びの後退と同様に、イングランド銀行によるインフレとの戦いでの悩みの種であった両指標が低下したことになります。

さらに、投資家はイングランド銀行が9月に追加利下げを行う確率を55%以上と織り込んでおり、その結果、ポンドが先月の下落分を完全に取り戻すことが難しくなるかもしれません。

その他、リスクオンのセンチメントを受けて、日本円は全体的に軟調に推移しており、岸首相が来月辞任するとの発表には、市場はほとんど反応を示していません。

ゴールドと原油価格は中東情勢の懸念から上昇

コモディティ市場では、ゴールドが昨日1オンス2,475ドル付近のレジスタンスゾーンを突破できずに下落し、昨日の安値から本日は小幅上昇しました。しかし、米ドルの下落が続くと見られる中、イランによるイスラエルへの攻撃の懸念も高まり、ゴールドは今後数日間で史上最高値を更新する可能性があります。

原油価格は需要への懸念から昨日は下落しましたが、本日は上昇しています。しかし、中東情勢の緊張がエスカレートするリスクが高まっており、本日の原油価格上昇をサポートしています。