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・市場のセンチメント向上、ナスダック100は週次上昇を記録
・本日のユーロ/ドルは横ばい、円高維持
・今週は重要な経済指標の発表続く、米CPI指数はFRBメンバーの発言に影響か
・イランによるイスラエル攻撃への懸念からゴールドと原油価格は上昇基調
市場センチメント向上、円高続く
先週初めのマイナスな市場のセンチメントにもかかわらず、多くの株式指数は先週の週次損失を何とかカバーし、ナスダック100は実際に週次ベースでプラスで取引を終えました。日経225指数は、週次で2.5%の損失となる外れ値となりました。日本円は引き続き直近の安値から約9%ほど上回っており、その結果、日銀の会合決定と介入支援から引き起こされた最近の上昇分のほとんどを維持しています。
この市場センチメントの回復は、世界の中央銀行による緩和政策移行への高まる期待の後退にはなってはいないようです。具体的には、FRBは年内に合計1.0%の利下げが見込まれており、9月には最初の利下げが0.5%になるのではと予想する声も多数あります。
しかし、大幅利下げへの圧力に対して、多くのFRBメンバーからは冷たい反応となっています。FRBボウマン理事、カンザスシティ中銀シュミッド総裁、そしてボストン連銀コリンズ総裁らは今年FOMC会合に投票権を持ち、先週の金曜日に、経済データが正当化するならば、利下げの準備はできているとの重要な見解を明らかにしました。この見解は、景気後退の見越した、または米国の銀行システムの金融安定性を守るために、0.50%の利上げに踏み切る直前の中央銀行のメンバーによる発言とは思えません。
そうは言っても、水曜日の米インフレレポートと木曜日の米小売売上高が予想外に下振れとなる場合は、今週のFRBメンバーの発言に多少変化があるかもしれません。緊急の利下げは想定外ですが、一連の米経済データが軟調となる場合、8月22日から24日に開催されるFRBのジャクソンホール会議にて、相応なハト派への転換が飛躍的に高まる可能性があります。
今週は重要な経済データ発表続く
今週は、イギリス経済に関する重要なデータの発表が続き、注目となるでしょう。明日は英雇用統計、水曜日には英CPI指数、そして金曜日は英小売売上高の発表があり、前回のイングランド銀行による一部予想外だった利下げを裏付ける十分な証拠となり、年内にイングランド銀行がさらに大幅な緩和政策に取り組みむのではとの市場の期待を高める可能性があります。
明日のアジアセッションでは、オーストラリアの今年第2四半期の労働賃金指数の発表など、ビジネスおよび消費者データの発表が予定されています。中国政府が住宅セクターの問題に対処出来ていないことから、オーストラリアの経済センチメントに影響があったかを確認し、また、人件費の大幅な削減により、今後オーストラリア準備銀行が徐々にバランスの取れた方向へ向かっているのかを見定めるのに注目となりそうです。
地政学的懸念からゴールドと原油価格は上昇基調
一方、本日のゴールドと原油価格は上昇基調で、8月初めの高値に近づいています。ハマスがイスラエル北部を毎日のようにミサイル攻撃をしている中、イランがイスラエルを直接攻撃する準備をしているのではとの憶測が広がっています。イランが反撃を始める場合、中東での紛争がエスカレートすることになるでしょう。