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日経平均株価が回復基調に
昨日の主要な米国株価指数は月曜日の安値からやや回復し、その勢いは衰えず、上昇基調で終えました。本稿執筆時点では、米10年債利回りが3.9%台で推移しているため、ユーロは米ドルに対して引き続き下落しています。
しかしながら、内田日銀副総裁の「市場が不安定な状況の時に、利上げをすることはない」というコメントを受けて、本日も日経平均株価は大幅な上昇を記録し、回復傾向にあります。ドル/円は重要なテクニカルレベルを上回ったため、再び150円台越えを達成する可能性があります。
公平を期すと、米国の景気後退懸念の高まりを背景に市場の暴落が始まった先週から状況はほとんど変わっていません。アトランタ連銀のGDPNowが第3四半期のGDPを2.9%と予測したことで、市場は米国経済の短期的見通しに対する評価を見直さざるを得なくなったのかもしれません。
さらに重要なことは、FRBの今後のより積極的な戦略への期待が、市場が本格的な暴落となればFRBが介入するだろうという自信を株式投資家に抱かせたことでしょう。
市場は現在、年内1.03%の利下げを織り込んでおり、9月の会合時の0.5%の利下げの可能性は65%とみています。興味深いことに、ほとんどのFRBメンバーは傍観を決め込んでおり、今週はシカゴ連銀のグルースビー総裁とサンフランシスコ連銀のデイリー総裁だけが姿を現し、市場を安心させるようなコメントをしています。一般的にはFRBがより強硬に反応し、必要なことは何でもやるという姿勢を強調する可能性もあると予想していたでしょう。
本日も重要な経済指標発表がなく、市場の関心は他の問題に
本日も重要な経済指標発表が予定されていない為、地政学等の他のイベントに市場の関心が向けられました。中東情勢が緊迫化しています。ハマス指導者が最近イスラエルに暗殺されたことを受けて、イランとその同盟国は報復の準備をしている模様です。
イランは本格的な戦争は望まないと既に欧米諸国に伝えているものの、イスラエルとの紛争開始は市場全体のムードに影響するだけでなく、原油価格を押し上げるでしょう。そうは言っても、最近の原油市場は比較的成熟した反応を見せており、WTI原油先物は2月上旬以来の最安値で推移しています。
経済指標の強い結果でNZドル上昇
ニュージーランド準備銀行が翌週に政策会合を控える中、市場全体のリスクオフムードにもかかわらず、同国の経済指標は強い結果が続いています。本日のアジアセッションで発表されたNZ第2四半期の労働市場関連の指標は予想を上回る好調な結果となり、市場の注目は明日のNZ予想インフレ率に集まります。この指標も強い結果となった場合、8月14日の政策会合時のハト派路線への変更期待が後退するでしょう。