マーケットコメントー今週の決算報告と日米英の金利政策会合を前に市場は様子見

投稿日: 2024年7月30日17時59分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・今週はハイテク大手による決算報告と日米英の金利政策会合など重要経済イベント続く
・米株式市場は様子見、米ドルは全般的に回復基調
・本日はユーロ圏の経済データに注目、明日は日銀による金利政策決定
・ゴールドと原油価格は下落、ビットコインも上昇後下落

米株価は今週の主要イベントを前にまちまち

市場は今週、大きなイベントを控えているため、昨日の米国株価指数はまちまちとなりました。水曜日のFOMC(連邦公開市場委員会)については様々な憶測が飛び交っていますが、現段階ではハト派的な変化はなさそうなため、今週の米経済データが市場に影響することになります。住宅関連のデータと消費者信頼感指数の両方が市場参加者の間で注目となりますが、本日の経済カレンダーでは、重要性の低い経済データのリリースとなっています。

一方、好調な決算報告が続く中、マイクロソフトは本日の市場終了後に第2四半期決算を発表する予定であり、次いで水曜日にメタ・プラットフォームズ、木曜日にアマゾン・ドット・コムとアップルが発表します。S&P500のITセクターは、S&P500が約マイナス4%を記録した4月以来初の月間損失に向かっています。不動産や金融などのより伝統的なセクターは、今月をプラスで終えようとしています。

本日はユーロ圏の経済データに注目

今週の日米英の中央銀行による金利政策会合と金曜日の米雇用統計で影が薄くなっていますが、今週はユーロ圏でも重要な経済データが発表されます。本日、ユーロ圏の第2四半期GDP数値が発表され、ドイツ経済の低迷が続くものの、成長率を示すと予想されています。

さらに、ドイツの各州によるCPI指数速報値も本日12:00(GMT)に発表されます。ドイツのCPI指数は前年比で2.2%で横ばいになると見られるため、明日のユーロ圏のCPI指数が上振れとなる可能性が低くなっています。

本日のユーロは 、米ドルとポンドに対して若干回復を試みています。しかし、ユーロ圏の経済データが低調であることと、バランスを取るFRBと米国のより堅調な労働市場により、ユーロ/ドルは1.0730付近に向けて、長期的な調整が進む可能性があります。

明日の日銀政策会合決定を前に円安

一方、明日政策会合決定を控える日銀には、追加利上げへの憶測が飛び交い、報道が過熱しています。最近の日本経済に関する経済データは強弱まちまちとなっているにも関わらず、市場は政策正常化に向けて、次なるステップを踏み出すのに適切な時期だと感じているようです。

本日の円相場は、力強い調整後、円安となっています。 円高となった一因には、日銀による為替介入があります。しかし、ここ最近の円高は日銀の金融政策へのスタンスに依存しており、日銀が明日の会合にて市場の期待に応えられない場合は、市場では急速な反応が起こるかもしれません。

ゴールドと原油価格は下落、ビットコインは上昇後下落

コモディティは依然として圧力を受けており、ゴールドは2,400ドル台に回復するのに苦労しており、WTI原油先物は50日ぶりの安値まで下落しました。中東情勢の悪化により、ゴールドと原油価格がサポートされておらず、またドル高がゴールドと原油価格上昇の妨げとなっています。一方、トランプ氏がナッシュビルでのビットコイン会議にて、仮想通貨推進を主張したことを受けて、本日のビットコインは、6月上旬以来の高値で取引された後、下落しました。これには、今週の重要な経済イベントを控えての利益確定の動きもあるようです。