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・ハリス副大統領は民主党の大統領候補獲得に近づく
・米ドルはユーロに対して横ばい
・ハイテク株上昇でS&P500も上昇基調
・ゴールドに圧力、ビットコインも下落
白熱する米大統領選
カマラ・ハリス現副大統領は、8月19日から22日に開かれる党大会を前に、十分な代議員の支持を得ることで、民主党の候補者地位を確保する重要な一歩を踏み出しました。ナンシー・ペロシ前下院議長は、ハリス氏を支持する最後の有力者ですが、興味深いことに、バラク・オバマ前大統領はまだハリス氏を支持を公表していません。これは、8月7日の大統領候補指名までに、まだ予見されていないことが起こり得る可能性があることが示唆されています。
世論調査的には、ハリス現副大統領はドナルド・トランプ氏に対するバイデン大統領のパフォーマンスを、特に無党派層では上回っていないため、11月までは正念場を迎えることなるでしょう。ハリス氏の選挙運動が起動に乗り、共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ氏に対してより積極的な姿勢がとられるにつれ、新しい世論調査が毎日のように表面化することになるでしょう。
トランプ再政権下ではインフレ加速への懸念も
一方で、11月の大統領選では、トランプ氏が依然として有力視されており、市場はトランプ氏の2期目のシナリオを検討し始めています。トランプ氏が大統領であった2017年から2020年を指針とすると、貿易摩擦を一因としたインフレの加速が見込まれており、FRBにとっては、今後の方針が複雑化する可能性があります。
市場は現在、今年9月と12月にそれぞれ0.25%の利下げを完全に織り込んでいます。特に米経済データが堅調である場合は、11月の大統領選を前にした9月の先制的な利下げは、トランプ氏にとっては軽視できない状況となることも示唆されています。
9月のFOMC会合が2か月後となる中、市場のセンチメントには、全ての米経済データが影響を及ぼします。明日のPMI企業調査と木曜日の米GDP速報値、そして金曜日のPCEレポートといった今週の重要なデータが大幅な下振れのサプライズとならない場合は、7月31日 の次回会合でのFRBによるハト派転換への可能性は一段と後退するでしょう。
市場は様子見モード
昨日の米株式市場は強気反応となったにもかかわらず、7月のドル指数は約1.5%低下し、2023年12月以来の月間下落幅となり、本日の米ドルはユーロに対して横ばいで推移しています。
当然のことながら、このような状況下、市場参加者はそれぞれ適切なポジションを取ることを試みます。トランプ氏再選となる場合は小型株に有利となると見られており、小型株指数で代表的なラッセル2000は2023年12月以来最高の月間パフォーマンスを更新しています。
同様に、エヌビディアによる昨日の好調な上昇に支えられ、7月のハイテク株も1%ほど上昇しました。アルファベットとテスラは本日後半に第2四半期の決算報告を予定しています。7月のダウ・ジョーンズは、昨年12月以来初めてS&P500よりも好調なパフォーマンスとなっており、投資家がより伝統的な株へのセクターローテーションに切り替えていく可能性もあります。
最後にゴールドは、イスラエルとハマスの紛争での進展がないにもかかわらず、2,400ドル台を維持するのに苦労しているようです。また、ビットコインも軟調の兆候を示していますが、7月初旬以来の上振れトレンドには、まだ影響はないようです。