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・世界的なシステム障害によって、市場はリスクオフモードに
・バイデン大統領は選挙戦からの撤退を表明
・ゴールドと原油価格はドル高から下落基調
安全資産への資金流入を受け、米ドル上昇
米ドルは金曜日、主要通貨のほとんどに対して上昇しましたが、今日は上昇が停滞しました。
FF金利先物は、FRBの今後の方針に対する市場の期待にほとんど変化がないことを示しており、ドルの上昇は、FRBの計画に関連した動きによるものではないようです。
おそらく米ドルは、世界的システム障害に関連した混乱を受けて、安全資産への資金流入の恩恵を享受したためだと考えられます。これは、伝統的な安全資産である円がドルに対して唯一下落しなかった通貨であったという事実からも裏付けされます。
バイデン大統領選挙戦撤退でハリス副大統領を支持
本日米ドル上昇が一段落した背景は、おそらくバイデン大統領が選挙戦から撤退すると表明したことから、共和党のトランプ候補に対抗する民主党の新たな候補者に道が開けたためかもしれません。
バイデン大統領は、副大統領であるハリス氏を後任として支持することを明確にし、ハリス氏は早くも民主党の多くのメンバーから指示を得ています。しかし、民主党の中には、元下院議長であるペロシ氏など、沈黙を貫いているメンバーもいます。
現在の焦点は今後の世論調査となる可能性が高く、トランプ氏が大統領に返り咲く可能性が低下することで米ドルの重荷となるのか、またはその逆となるのかが注目となります。
したがって、トランプ氏が大統領となる場合、FRBとしては、利下げのペースを緩やかにせざるを得なくなり、その結果、米国債利回りがしばらく高止まりして、米ドルをサポートする可能性があります。
しかし世論調査以外にも、今週の米ドルのトレーダーは、7月のPMI速報値や第2四半期の第1次GDP推定値、そしてFRBがインフレ率の測定に使用するコアPCE指数などに注目することになるでしょう。
米株式市場はシステム障害後下落、今週は大手ハイテク社による決算報告に注目
米株式市場は先週の金曜日、世界的なシステム障害を受けて、市場での不安材料が高まり下落しました。これは、シカゴ・オプション取引所のボラティリティ指数が4月以来の水準まで急上昇したことからも明らかです。
このシステム障害は航空会社を含む複数の業界に影響を及し、ダウ・ジョーンズが最も打撃を受け、次いでハイテク株の比重の多いナスダックが下落しました。
今週の株式市場は、ハイテク大手による決算報告に焦点が移る可能性があります。火曜日には、マイクロソフトやアルファベット、そしてテスラによる決算報告、木曜日にはアマゾンによる決算報告が控えています。
ゴールドと原油価格も下落基調
ゴールドは、先週の金曜日に安全資産として機能せず、米ドル上昇の犠牲となりました。しかし、おそらくバイデン氏の大統領選撤退と、土曜日のイスラエルによるガザ地区の難民キャンプへの3回の空爆を受けて、本日のゴールドはいくらか回復しています。
そうは言っても、本日のゴールドの回復は小幅にとどっており、ゴールドは最高値に近づき、中国人民銀行がゴールドの購入を一時停止し、中東での停戦校長も木曜日に再開される中、投資家は当面の間、一部の利益確定に動いていることが示唆されています。
原油価格も先週の金曜日にドル高と、世界最大の石油輸入国である中国経済への懸念により、下落しました。先週の中国共産党による3中総会の閉幕では、景気刺激策の発表がなかったものの、中国政府は政策実施への道のりは険しいと示唆しました。
中国人民銀行が本日、予想外にも主要な政策金利と最優遇貸出金利(ローンプライムレート)を引き下げると発表したことも、ゴールドの上昇の支えとはなりませんでした。