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米6消費者物価指数発表を控え、米ドル下落
昨日の米ドルは円、スイスフラン、及びNZドルを除く殆どの主要通貨に対して下落しました。米ドルトレーダーがショートポジションを維持できた要因は、下院金融委員会の議会証言です。
利下げのハードルをクリアしたと感じるかの質問に対して、パウエル議長は一定の自信はあるものの、確認する準備はできていないと述べました。更に、パウエル議長は労働市場のリスクは多かれ少なかれインフレリスクと連動していると付け加えました。
パウエル議長の発言は、年内2回の利下げ余地があると市場では解釈されました。FF金利先物によりますと、9月の0.25%の利下げの可能性が80%となっており、12月の追加利下げも予想されています。
本日、市場の関心は米6月消費者物価指数に向けられます。前年比は3.3%から3.1%への低下が予測されていますが、コア指数は前年比3.4%を維持する見通しです。ISM製造業、及び非製造業PMI上のサブインデックス仕入れ価格低下を考慮しますと、下振れリスクがあるでしょう。消費者物価指数の一段の悪化は、9月利下げを確実にし、米ドルに一段の下落圧力がかかるでしょう。
イングランド銀行のチーフエコノミストの発言でポンド上昇
昨日、イングランド銀行のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏が利下げ時期は依然として未解決の問題を発言しました。これを受けて8月の利下げ観測が後退し、昨日のポンドは最も大きく上昇した通貨の一つとなりました。ピル氏は5月にインフレが中銀目標の2%を達成したものの、サービス価格と賃金の伸びは依然として強いと指摘し、6月の指標結果による見通しへの影響は限定的となる模様です。
ピル氏の発言を受けて、8月の利下げの可能性は60%から50%まで後退しました。米ドル安の流れを背景に、ポンド/ドルは主要なレジスタンスゾーンの1.2820ドル越えを達成しました。
NZ準備銀行のハト派への方向転換により、NZドルが最も下落した通貨となりました。今月末の日銀の政策会合での0.1%の追加利上げの可能性は約60%となっているものの、円の下落基調は継続しています。
日銀は、新たな為替介入については比較的沈黙を維持しています。前回の為替介入の効果が薄かった為、為替介入を再度実施する価値は低いと考えているのかもしれません。日銀が追加利下げに踏み切ったとしても、緩やかな利下げと米国との金利差により、キャリートレードは継続するでしょう。
米利下げ観測で米株高の流れ加速
昨日、米主要3株価指数は1%以上値上がりし、S&P500とナスダック指数は最高値を更新しました。年内2回の利下げ観測は株高要因となり、本日の米6月消費者物価指数の結果が利下げ観測を一段と上昇させた場合、株高が加速するでしょう。
ゴールドも利下げ観測の恩恵を受け、主要なレジスタンスゾーンの2,388ドルを試す展開となっています。米利下げ観測、及び中央銀行のゴールド購入がゴールド高を支えています。