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・6月の米ISM非製造業PMI指数は予想外に縮小示す
・米国債利回りと米ドル下落も米株式市場はラリー
・広範なリスク選好度高まる中、本日の英総選挙でポンドは強気トレンド
FRBによる9月の利下げ確率高まる
昨日の米ISM非製造業総合景況(PMI)指数が縮小領域まで落ち込み、米経済の減速が新たに確認されたことから、9月での利下げ観測が高まっています。6月の非製造業PMI指数は、予想以上に低下しており、2020年5月以来の低水準まで落ち込んでいます。雇用指数も50を下回り、非製造業物価指数は56.3まで緩和しました。
この非製造業PMI指数の低下は、月曜日の米ISM製造業PMI指数でも同様な低下となったことが背景にあります。さらに、先週の新規失業保険申請件数は小幅上昇となり、1月以来安定して上昇トレンドとなっています。
これらの米経済データは全て、経済の減速を示唆しているようで、インフレの抑制には朗報となり、FRBにとっても経済の「冷え込み」に注目しています。しかし、FOMC会合のメンバーらは、昨日公開された前回の会合での議事要旨にて、「インフレ率が2%に向けて持続的に進展しているとの大きな確証」が必要であることに合意したことが明らかになりました。
最新のFRBメンバーの発言からは、前回会合以来、このスタンスに変化はないことが分かります。そうは言っても、特に、火曜日のパウエル議長の発言からは、若干ハト派寄りの姿勢が見られたため、9月での利下げ開始への期待が高まっており、その確率は現在75%以上まで上昇しています。
ドル安で円相場には安堵感
FRBが7月のFOMC会合か、または8月のジャクソンホール会議にて、ハト派に転ずるお膳立てが整っているようです。もちろん、明日の米雇用統計にて、非農業部門雇用者数が上振れとなる場合、ハト派への転換が台無しとなる可能性があります。しかし、米国債利回りが低下しており、先週末にトランプ氏が再び大統領となる可能性が高まって以来の上昇分の一部が反転しています。
米国債市場は本日、独立記念日の祝日で休場する中、米ドルが3週間ぶりの安値近くまで下落しています。昨日、1ドル162円付近という38年ぶりの安値を更新した円相場にとっては、本日のドル安がサポートとなっているようです。
本日の英総選挙で期待高まり、ポンドは上昇
ユーロとポンドもまた急反発しています。フランス議会における極右政党「国民連合」が、今週日曜日の第2回投票にて過半数を達成するのではとの懸念が緩和し、今週のユーロ上昇につながっています。
一方、イギリスでの本日の総選挙では、労働党が大勝利を収め、長年の政治的混乱に終止符を打つことへの期待から、ポンドは1.2750ドル付近まで回復しています。投資家らはまた、労働党がEUと良好な関係を築くことに期待しており、選挙後、保守党が100議席未満の獲得に終わる場合、労働党独裁となるリスクを今のところは検討していないようです。
株式市場は軒並み上昇もビットコインは下落
昨日の米株式市場では、ナスダックとS&P500がともに最高値を更新して取引を終え、本日の欧州株式市場も上昇基調です。日本のトピックス指数も最高値を更新しましたが、ビットコインが5か月ぶりの安値まで下落したことから、リスクオンのムードはまだ仮想通貨市場には広がっていません。
本日の原油価格は、米経済の減速が、原油の需要見通しへの重荷となる中、やや下落基調です。