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・フランスでの第1回議会投票後、欧州株式市場は上昇基調
・本日はドイツのCPI指数発表、ECBの年次フォーラムも開催
・今週も忙しい経済カレンダーの中、米ドルは下落基調
・日本円には引き続き圧力
フランスの第1回議会投票では極右政党の勝利もユーロは上昇
フランスの第1回議会選挙の投票が昨日行われ、予想通り極右政党の「国民連合」がトップとなり、左派連合は2位、そしてマクロン大統領率いる与党連合は3位と大きく突き放しました。「国民連合」を率いるルペン氏は、文字通り第1回投票にて勝利を収めましたが、第2回投票と最終投票へのカウントダウンが既に始まっている中、まだ最終結果は分かりません。
ルペン氏は次期議会にて、過半数である289議席を獲得し、次期大統領選が予定されている2027年までマクロン大統領に難題を突き付けることを目標としています。しかし、左派連合とマクロン大統領の与党連合が、日曜日の選挙結果を受けて、お互いの候補者を支持するかどうかを検討しており、この協力関係が成立すると、ルペン氏の極右政党が最終的に大勝利を収めることを阻止する可能性があります。
ヨーロッパの株式市場は本日黒字で開場し、フランスにて、ルペン氏に対抗して他党が協力しあうとの動きが前向きに捉えられたため、ユーロは米ドルに対して再び上昇しました。しかし、この協力関係への動きが失敗に終わり、ルペン氏らが議会での過半数の議席を獲得する場合、ユーロは全般にわたって大幅に下落する余地があります。
本日はドイツのCPI指数発表、ECBフォーラムも開催
フランスでの情勢が不安定な中、今週のユーロ圏は忙しい週となるでしょう。ドイツでのインフレレポートであるCPI指数の速報値が本日発表となり、明日はユーロ圏のCPI指数が発表されます。本日のドイツのCPI指数が上振れとなる可能性はわずかにありますが、ECB のタカ派が6月での利下げについて、依然として強い不安を表していることから、これらのCPI指数の結果が市場に大きく影響する可能性は低いと見られます。ECBのラガルド総裁は、前回の会合にて、追加利上げを行うには、ディスインフレの過程を裏付ける一連の経済データが必要であると言及しました。
本日から、 中央銀行に関するECBの年次フォーラムがポルトガルのシントラで開催され、ラガルド総裁が開会講演を行います。今後3日間は、FRBパウエル議長が参加するパネルディスカッションなど、FRBメンバーからの発言も多く予定されています。
バイデン大統領の今後が懸念される中、重要な米経済データの発表続く
今週の木曜日に独立記念日で祝日となる米国では、本日は6月のISM製造業企業調査、そして金曜日には重要な非農業部門雇用者数が発表となります。米国では、先週の大統領選の討論会が尾を引いており、特にバイデン大統領のパフォーマンスが懸念されています。バイデン大統領が最終的に辞任を余儀なくされ、後任としてハリス副大統領が最有力候補となるのではないかとの憶測が飛び交っています。
日本円には引き続き圧力
ドル安が続き、日本政府からの一連の介入への警告にもかかわらず、ドル/円は依然として160円台を上回っています。市場が介入に関して日本政府を試しているのは明らかですが、強弱まちまちの国内の経済データから、日銀植田総裁らは金融政策において、適切に対応できない状況です。日銀としては、市場介入はせいぜい議論の余地のある程度の結果が見込まれるもう一つの選択肢となります。