マーケットコメントー米株式市場は小幅上昇、米ドルも上昇基調

投稿日: 2024年6月26日17時51分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・米株式市場は重要なニュースに欠く中、小幅上昇
・フランス国民議会選は30日に第1回投票
・豪ドルとカナダドルはともに各国のインフレ率加速で上昇基調
・日本円には引き続き圧力

米ドルはユーロに対してわずかに上昇

木曜日のトランプ氏とバイデン大統領との大統領選討論会と、金曜日の米PCEインフレ報告を控え、米ドルは市場の反応を伺っているようです。昨日、FRBクック理事がある時点での利下げの可能性についてあいまいな発言をしたことに、市場は驚きませんでした。本日は、5月の新築住宅販売戸数の発表があり、このデータはFRBパウエル議長が前回会合にて言及しましたが、市場は現時点ではそれほど重点を置いていないようです。

11月の大統領選を前での利下げの機会が急速に低下していることから、FRBのハト派メンバーは困難な状況に立たされています。PCEレポートやISM企業調査、また非農業部門雇用者数といった今後10日間での米経済データがインフレ圧力の緩和となる経済の軟化を示唆しない場合、次回7月31日のFOMC会合でのハト派への転換はおそらく夢で終わる可能性があります。

一方、昨日の米株式指数は強弱まちまちとなり、エヌビディア株の復活を背景に、S&P500は上昇しました。S&P500は、テクノロジーセクターが月間10%以上もの上昇に近づく中、6月に約4%の黒字で、今年は15%ほど上昇しています。 ヨーロッパ議会選挙の結果を受けてからのフランスのCAC40のパフォーマンスを鑑みると、このラリーはかなりのものです。CAC40は今年わずか2%上昇し、フランスでの国民議会選挙の第1回投票を今週末に控え、見通しも依然として不透明となっています。

豪ドル、カナダドルはともにCPI指数加速から恩恵を受けて上昇

オーストラリアとカナダのインフレレポートが共に予想外に上振れとなったことから、本日の豪ドルとカナダドルは上昇しています。カナダでの総合インフレ率は、前年比2.9%と小幅加速したため、カナダ銀行の今後の見通しはいくらか複雑となりました。

市場は現在、カナダ銀行が7月の会合で0.25%の追加利下げを行う確率を56%と織り込んでおり、マックレム総裁は、月曜日に行った講演では、インフレ率の目標達成に比較的自信を持っているように見られました。来週のカナダ経済に関するデータによって、マックレム総裁の楽観的見方が正当化されるのかが注目されるでしょう。

オーストラリア準備銀行は、依然として最もタカ派姿勢を維持する中央銀行の一つであることから、豪ドル/カナダドルは急騰しました。本日のオーストラリアでの5月のインフレレポートが予想を上回って加速したことから、世界的に中央銀行が金融政策の緩和を検討、もしくは実施しているのとは反対に、豪中銀ブロック総裁らが前回会合において、利上げの可能性を検討したことを裏付けることとなりました。

市場が豪中銀メンバーの発言に注目する中、豪中銀が次回の8月6日の会合で利上げを行う確率は33%に急騰しました。来週の一連のオーストラリアからの経済データの結果次第では、利上げの可能性に信憑性が高まる可能性がありますが、特に決定的なデータは、7月31日の2024年第2四半期豪CPI指数の発表となるでしょう。

円相場は160円を若干下回る水準

本日の円相場は160円を若干下回って取引されており、4月下旬に2回もの介入があったにもかかわらず、市場は日本政府からの警告を恐れてはいないようです。円安となった要因の一部は、日銀が市場の反応を沈静することができなかったことがあります。今週の国内経済データ、特に金曜日の東京都消費者物価指数によっては、日銀がよりタカ派姿勢となり、次回7月31日の会合にて、国債買い入れを大幅に減額することで市場のプラスの反応を引き起こす可能性があります。