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・今週のFRBメンバーの発言は市場に影響する可能性も
・米小売売上高は予想外に下振れとなるか
・豪中銀は本日の政策会合で利上げも検討
・米ドルは依然として上昇、豪ドルも上昇基調
FRBメンバーの発言続く、市場に再度影響はあるか
明日が祝日となるアメリカでは、今週FRBメンバーによる講演が続いており、タカ派がさらに強気な発言をするのかが注目となります。ミネアポリス連銀カシュカリ総裁は既に、「利下げは12月となるのが合理的」と述べており、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁も、「今年は利下げは1回が適切となるだろう」と発言しています。
本日は、リッチモンド連銀バーキン総裁、ボストン連銀コリンズ総裁、セントルイス連銀ムサレム総裁、ダラス連銀ローガン総裁、シカゴ連銀グールスビー総裁、そしてFRBクーグラー理事の6人が講演する予定です。タカ派で知られるバーキン総裁とローガン総裁は今年はFOMC会合にて投票権は持ちませんが、他のメンバー全て投票権を持つため、最新の米経済状況についてはハト派寄りの姿勢を保つかもしれません。
市場は現在、年内に合計で0.45%ほどの利下げを織り込んでおり、本日のFRBメンバーの発言がタカ派となる場合は利下げ観測がさらに後退する可能性があります。しかし、パウエル議長が先週のFOMC会合での記者会見にて述べたように、年内の利下げを決定するには経済データ次第となるでしょう。
本日の米小売売上高に注目
本日は5月の米小売売上高の発表が予定されています。他の先進国と異なり、好調な米経済には、堅調な内需が主な理由となっています。市場は、本日の小売売上高が上昇すると予想しており、ハト派にとっては好ましい材料とはならないでしょう。
小売売上高の詳細については、総合小売売上高は前月比0.2%に上昇すると見られています。同様に、小売と食料品店に焦点を当てたリテールコントロールグループ指数は0.4%上昇し、4月での調整を反転させると予想されています。しかし、最新の消費者信頼感指数とミシガン大学の消費者信頼感指数の低下を考慮すると、本日の小売売上高も下振れの可能性が大いにあると言えます。
ヨーロッパでの政治リスクは引き続き市場に影響
欧州での政治的危機が多少後退する中、米ドルはユーロに対して、ここ最近の上昇分のほとんどを維持しています。フランスの株式市場は昨日、黒字で取引を終えましたが、依然として6月6日の欧州議会選挙の結果以来、約5.5%下落しています。また、フランスとドイツの10年債利回りの格差は昨日若干縮小したものの、依然として2020年3月以来の高水準となっています。フランス下院での第1回目の議会選挙を12日後に控え、ユーロ圏第2位の経済大国であるフランスについて報道は、おそらくしばらくの間市場全体のセンチメントに影響を及ぼすでしょう。
豪中銀は予想通り金利据え置き
大方の予想通り、本日、オーストラリア準備銀行はキャッシュレートを4.35%に据え置き、声明は、5月での会合に似た内容となり、インフレが以前よりも緩やかなペースで緩和していることに言及しました。豪中銀のブロック総裁は、今回の会合で利上げの可能性についても議論されたものの、利下げは検討しなかったことを明らかにしました。この発言を受けて、豪ドルは米ドルに対して本日再度上昇しており、5月中旬に更新した高値に近づいています。
市場は、オーストラリア準備銀行が年内に0.15%の利下げを行い、来年末までに合計で0.53%ほどの利下げをすると織り込んでいるため、利上げを行うことには懐疑的であることは明らかです。次回の8月6日の政策会合までには、特に7月31日の第2四半期のインフレレポートを含む一連の重要な豪経済データが発表されることになります。