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・フランスでの財政危機への懸念からユーロは6週間ぶりの安値
・株式市場は売りが緩和して強弱まちまち
・今週は、豪中銀と英中銀、そしてスイス中銀による金利政策会合
ユーロ圏は新たな債務危機への懸念から不安定
先週末に再発したフランスでの極右政党台頭のリスクへの懸念が、引き続きユーロの悩みの種となっています。ユーロは今月1%以上も下落し、本日も1.07ドルの水準を維持するのに苦労しており、現在は6週間以上ぶりの安値で取引されています。
ルペン氏率いる国民連合が、今月末に実施される仏国民議会選挙にて勝利を収める場合、イギリスにて、トラス政権下でミニ予算案が引き起こしたような市場のパニックとなるのではとの懸念から、ユーロ圏が債務危機の真っ只中にあった2012年夏以来のフランスとドイツの10年物国債利回り差拡大につながっています。
しかしながら、潜在的には、フランスにとっては、ルペン氏が政権を握るよりは、吊り議会となる方が最悪のシナリオとなるでしょう。結局のところ、イタリアのメローニ首相のように、極右政党がより主流派となり得ることは実証されています。しかし、フランスでの国民連合は、より少数の極右政党との連立を組みことが出来ておらず、その結果政権を握るのに十分な議席を確保できない可能性があり、一方でマクロン大統領による連立政権も、特に中道右派の共和党と合意に達することができておらず、混乱の様相を呈しています。
さらにECBは、債券市場でのパニックを緩和するために、緊急措置としてフランス国債を購入する計画が今のところないと示唆していることから、フランスの資産にも打撃となっているようです。
株式は見通しの不透明さの中で回復基調
それにもかかわらず、フランスの代表的な株式指数であるCAC40は本日上昇しており、これまでの損失の一部を取り戻しています。
他国の株式指数も本日小幅上昇しており、米国先物もプラスに転じ、リスクオフムードが若干緩和していることが示唆されています。先週の金曜日は、欧州議会選挙の結果を受けた懸念とミシガン大学消費者信頼感指数の予想外の低下を受けて、米株式市場では利益確定の動きとなり、上昇の勢いを失いました。しかし、先週のナスダックはアップル、エヌビディア、そしてアドビなどの株式の上昇が牽引し、3%以上急騰しました。
しかし、中国の経済データが強弱まちまちとなり、中国経済の回復が鈍いペースとなっているとの見方が浮き彫りとなり、アジアの株式市場は赤字で取引を終了しました。
豪ドルとポンドは今週の金利政策決定を前に下落
豪ドルは下落基調で、米ドルに対しては3セッション連続で下落しています。しかし、明日のオーストラリア準備銀行による金利政策会合での決定から、豪ドルはサポートされるかもしれません。豪中銀は金利を据え置き、タカ派となる可能性が高く、木曜日に予定されているスイス国立銀行は、反対に70%以上の確率で0.25%の利下げを行うと見られています。
イングランド銀行も木曜日に金利政策会合がありますが、7月上旬での総選挙を控え、発表内容は控えめとなると見られているため、投資家は水曜日に発表される英CPI指数により注目することになるでしょう。
イギリスでは、今回の総選挙で労働党が勝利する場合、支出を抑制するとの公約を遵守しないのではとの懸念が高まる中、ポンドは選挙への不安が反映されています。
米ドルは、明日の米小売売上高とともに、FRBメンバーであるニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁、そしてクック理事が本日講演を予定しており、注目となるでしょう。