マーケットコメントー本日の米CPI指数とFOMC会合決定が焦点に

投稿日: 2024年6月12日17時46分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・本日の米CPI指数とFRBによる経済予測に注目
・ヨーロッパ議会選挙の結果が依然としてユーロに影響
・本日のFOMC会合決定を前にナスダックとS&P500は最高値更新

本日の米CPI指数とFOMC会合決定待ち

昨日の米ドルは、強弱まちまちで取引され、ユーロと日本円、そしてスイスフランに対しては上昇幅を拡大しましたが、NZドルとポンドに対しては下落しました。本日は、米CPI指数とFOMC会合決定を控えて、市場はより慎重となっており、米ドルはほとんどの主要通貨に対して安定しているようです。

本日のFOMC会合では、政策変更を発表するとは予想されていませんが、投資家はおそらく、最新の経済予測と新しいドットプロットを注目することになるでしょう。

FRBメンバーの多くが金利の「より高く、より長く」との姿勢をメッセージを示唆しており、本日のドットプロットは上方修正される可能性が高いでしょう。しかし、年内に2回の0.25%の利下げが行われることを示唆するドットプロットの中央値は、市場が現在、それ以下の年内の合計利下げ幅を織り込んでいることから、米ドル上昇を支えるには十分とは言えないでしょう。

米ドルが上昇するには、FRBが年内にたった1回の利下げを示唆するか、本日のCPI指数において、予想以上にインフレが加速していることを示唆する必要があるかもしれません。この場合、FRBが投資家の期待に沿う決定をしない場合でさえも、米ドルが堅調に維持される可能性があります。結局のところ、投資家はFRBが予想に本日のCPI指数を組み込まないことを承知しているかもしれません。そうは言っても、本日のFOMC会合後の記者会見にて、パウエル議長はCPI指数に関する質問を受ける可能性があります。

仏解散総選挙の不確実性がユーロの重荷に

欧州懐疑派の台頭とフランスの解散総選挙の発表によって、EUの統合を深めることへの懸念が高まっており、ユーロは引き続き、ヨーロッパ議会選挙の影響から続落しています。

月曜日に、フランスのマクロン大統領が驚くべきことに解散総選挙を発表した後、最初の世論調査によると、ル・ペン氏の率いる国民連合が勝利するものの、下院で絶対過半数を獲得するまでには至らない可能性があることが明らかになりました。

したがって、国民連合による政権奪回とはならない可能性があり、ユーロにとってはプラス材料となったようです。しかし、この調査結果が現実となる場合、ユーロはしばらくの間圧力を受けることになるでしょう。ユーロにとってのマイナス材料となる他の要因は、フランス議会が完全に宙吊り議会となることでしょう。

今のところ、市場はECBによる次回の利下げがいつ頃実施されるかを見極めようとしており、ECBメンバーの発言に注目が移るでしょう。本日は、デギンドス副総裁と、シュナーベル専務理事、またドイツ中銀ナーゲル総裁による講演が予定されています。

アップル株急騰と米国債利回りの低下で株式市場は最高値更新

昨日の米株式市場では、ダウ・ジョーンズが若干赤字で取引を終えたものの、ナスダックとS&P500は、おそらく米国債利回りの低下とアップル株の急騰を受けて、新たな最高値を更新しました。

本日の米CPI指数が加速し、FRBが比較的タカ派姿勢を維持する場合、株式市場での利益確定を促し、下振れの調整となる可能性があります。しかし、FRBが次の動きが利下げとなる可能性を示唆し続ける限り、広範な上昇トレンドは維持される可能性が高いでしょう。

さらに、アップルが新たなAI機能を発表したことで、アップル株が急騰したことから、株式市場の投資家は、依然としてAI関連の将来の成長機会を織り込むことに積極的であることを示唆しています。