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・米非農業部門雇用者数急増で予想を大幅に上回る
・米利下げ観測後退で米ドル急騰
・仏大統領は解散総選挙発表でユーロ下落
・S&P500は最高値更新後後退
堅調な米雇用統計で米ドル上昇
先週の金曜日の米雇用統計は、5月の非農業部門雇用者数が予想を大幅に上回って増加したことが明らかとなったため、米ドルは主要通貨全てに対して上昇し、本日も主要通貨のほとんどに対して上昇しています。
失業率は4.0%と小幅上昇したものの、非農業部門雇用者数の堅調な増加と賃金の伸びの加速から、投資家は米利下げ観測を後退させました。9月での最初の利下げの確率は、米雇用統計前の70%から50%まで低下し、年内の合計利下げ幅も0.5%から0.36%に縮小されました。
市場は水曜日の米CPI指数とFOMC会合決定を固唾を飲んで見守ることになるでしょう。今週の会合では、FRBは金利を据え置くと見られていますが、投資家は最新の経済予測とドットプロットを待ち望んでいます。
したがって、米CPI指数でインフレの粘着性が確認される場合、FRBの金利予測経路の上方修正とともに、米ドルは最新の回復をさらに拡大することになるでしょう。
欧州は政情不安に直面
欧州では、ヨーロッパ議会選挙で右派の支持が高まったことを受けて、フランスのマクロン大統領が解散総選挙を決定し、欧州での政治情勢に関する悩みの種が深刻化したことから、ユーロは今週下落で開場しました。
社会主義派、リベラル派、そして中道系も欧州議会にて過半数を維持する見込みですが、欧州懐疑派のナショナリストの台頭は、EUの団結に向けての改革や政策に議会が合意し、突き進むことが今後難しくなる可能性があります。
フランスでの極右政党勝利の見通しとともに、この動きはユーロにとっては、しばらくの間圧力となるでしょう。また、ドル高も考慮すると、ユーロ/ドルは、重要なゾーンである1.0720ドルを近いうちに下回る展開が予想されます。
米株式市場後退、ゴールドも重要なゾーンまで下落
米株式市場では、主要3指数全てが赤字で取引を終えましたが、損失は米ドルの上昇分ほどではありませんでした。さらに、株式市場の後退は、S&P500が最高値を更新した後となりました。
市場がFRBによる年内の合計利下げ幅を縮小させたことが、株式市場の重荷となっていますが、投資家はFRBによる次の一手が利下げとなることには満足しているようです。
また、市場には依然として、AI関連の今後の成長機会を積極的に織り込もうしている市場参加者が多くいるようです。おそらく、この姿勢が株式市場の前向きな全体像を維持していると思われます。
ゴールドは、先週の予想を大幅に上回る米雇用統計後下落し、現在も重要なサポートゾーンである2,280ドル辺りで取引されています。このゾーンを下抜けると、典型的な天井の形であるヘッドアンドショルダーズ(三尊型)の完了を示し、より大きな弱気の調整が可能となるかもしれません。