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・カナダ銀行に続いてECBも本日0.25%の利下げ発表か
・好調な米ISMサービス業PMIもFRBによる利下げ観測は高まり
・米ドルは安定、株式市場は急騰
ECBはカナダ銀行に続いて利下げ決定の見込み
昨日のカナダ銀行による利下げ決定を受けて、ECBも本日の政策会合にて、G7の中で2番目に借り入れコストを引き下げる中央銀行となる見通しです。カナダ銀行は、インフレの緩和と経済成長の鈍化により、0.25%の利下げに踏み切り、政策金利を4.75%に決定しました。マックレム総裁は、インフレが後退し続ける場合は、「追加利下げを期待するのは妥当である」こと示唆しました。
カナダドルは、この政策決定後、一時米ドルに対して2週間ぶりの安値まで下落しましたが、FRBによる9月での最初の利下げ観測が高まるにつれ、米ドルは下落し、カナダドルは回復しました。
大方の予想通り、本日ECBが0.25%の利下げに踏み切る場合、FRBによる利下げへの期待が高まっていることから、ユーロを下支えする可能性があります。ECBによる政策金利発表は本日12:15(GMT)に予定されていますが、ユーロ圏のインフレと経済成長を示す最近の経済データが上振れしているため、追加利下げの余地については疑問視され始めています。
ラガルド総裁の記者会見は、12:45(GMT)に予定されており、追加利下げに消極的とのシグナルが見られる場合は、米ドルに対するユーロの短期的な上昇トレンドが加速される可能性もあることから、市場はこの記者会見に注目することになるでしょう。
エヌビディア株好調、米株式市場は最高値更新
一方株式市場では、大幅な利下げ観測の見通しもトレーダーは臆せず、昨日の米株式市場は最高値まで急騰しました。エヌビディアをはじめとするAI関連株が、引き続き米株式市場を牽引しています。
エヌビディア株の目覚ましい躍進は、時価総額が3兆ドルを超え、アップルを抜いて世界第2位の企業まで邁進するなど、すぐに衰える気配はありません。
S&P500とナスダックはともに記録的な水準で取引を終え、ダウ・ジョーンズはやや遅れを取りましたが、世界の主要株価指数は本日も黒字となっています。
FRBによる9月での利下げ観測が再度高まり
AI関連株のラリー継続の他に、FRBの利下げへの楽観ムード再開も株式市場のラリーの要因となっています。9月での利下げは現在、75%以上織り込まれており、12月での追加利下げにも市場は自信を深めています。
この好転の背景には、一連の米経済データの軟化があります。昨日の米ISMサービス業PMIは予想を上回り、米経済が実際に減速しているかどうかに疑問が投げかけられましたが、市場はADPによる民間雇用統計が予想を下回ったことにより注目しているようです。
金曜日には、米雇用統計が発表されるため、関心が高まることになるでしょう。金曜日の米雇用統計が予想外に堅調となる場合は、今週のこれまでの動きが逆転する可能性があります。
円高とはならず
米ドルは安定していますが、夏の利下げ観測が高まる中、米国債利回りが急低下したため、今週も2週連続で損失に向かっています。
今週初めにリスク回避が高まり、日本円は上昇しましたが、日銀植田総裁を含む他の日銀関係者による発言から、追加利上げの可能性が疑問視されています。米ドルは156円以上まで上昇し、日銀は国債買い入れの減額を示唆したことから、日本円はほとんどサポートされておりません。