マーケットコメントー本日は米PCEデフレーターとユーロ圏のCPI指数に注目

投稿日: 2024年5月31日17時31分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・本日の米コアPCE指数を前に米ドル後退
・ユーロ圏のCPI指数にも注目
・米株式市場は赤字で取引終了、原油価格も続落

本日は米コアPCE指数が焦点

昨日の米ドルは、第1四半期の米GDPの2回目の測定値が予想よりも遅いペースで成長していることが示唆されたため、軒並み下落しました。

米国債利回りも低下しましたが、市場はFRBの今後の方針に関してはそれほど修正を加えませんでした。市場は依然として、12月までに合計で0.35%ほどの利下げ幅を予想しており、9月での最初の0.25%の利下げ確率は、約55%を維持しています。

本日は、FRBがインフレ測定として利用する米コアPCE指数が焦点となります。予想では、4月のコアPCE指数は前年比2.8%と3か月連続で横ばいと見られていますが、米コアCPI指数がいくらか減速したことを鑑みると、本日の指数も下振れとなるかもしれません。

PCEインフレデータの減速する場合、9月での利下げ観測が高まり、米ドルが小幅下落する可能性があります。しかし、S&PグローバルによるPMI指数速報値で、5月の投入価格と産出価格ともに加速したことから、大幅な価格改定の可能性は低いでしょう。

ダラス連銀ローガン総裁が利下げを考えるのは時期尚早であると言及するなど、FRBメンバーが引き続きインフレへのリスクの懸念を表しています。ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁も同様の発言をしました。

本日はユーロ圏のCPI指数にも注目

本日はユーロ圏のCPI指数の速報値もあり、ユーロも注目となります。昨日、ドイツのインフレ率が予想を若干上回り、コア指数が前年比3.0%と横ばいとECBの目標とする2%を上回りました。

ユーロ圏でのインフレの粘着性が示唆されていますが、来週のECB会合での0.25%の利下げには影響はないと見られます。しかし、市場は追加利下げ観測を後退させるかもしれません。

ユーロ圏のCPI指数が上昇し、米コアPCE価格指数が予想より減速する場合、ユーロ/ドルは上昇し、5月15日以来、強気筋のさらなる上昇を阻止している重要なゾーンである1.0890に向かう可能性があります。

株価下落、OPECプラス会合を前に原油価格続落

昨日、米株式指数の3指数は、全て赤字で取引を終えました。特に、セールスフォースがアナリストの予想を下回る利益と収益を報告した後、株価が20%近くも下落したことで、ナスダックが最も下落しました。米GDPの下方修正と先週の失業保険申請件数の増加もまた重荷となりました。

トランプ前大統領が34の罪状全てで有罪判決を受けたにもかかわらず、本日の先物市場は落ち着いているようです。おそらく、この静けさの背景には、トランプ氏が有罪判決後も大統領選に出馬できるからかもしれません。しかし、7月11日に予定されている判決によって政治情勢が変わる場合は、市場のボラティリティが高まる可能性があります。

夏のドライブシーズンの到来となるメモリアルデーを前に需要が増加するとの期待もあり、米国でのガソリン在庫が増量したため、原油価格は続落しました。関係筋によると、現在の焦点は、日曜日のOPECプラス会合において、加盟国が減産計画を2025年まで延長できることに合意するように話し合いがもたれているとのことです。