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・米国債利回りの上昇で株式指数は後退
・ユーロに圧力、ポンドは総選挙から恩恵受ける
・ゴールドはリスクオフから恩恵受けられず、OPECプラス会合を前に原油価格下落
米ドル上昇基調
ユーロ/ドルが2週間ぶりの安値まで下落する中、米ドルは主要通貨に対して上昇基調です。米ドル上昇の背景には、債券市場の動きがあるようで、米10年債利回りは、5月初旬から初めて4.6%を超えて上昇しています。この利回りの上昇は、一連の債券入札の不調さから引き起こされましたが、主な原因は、FRBメンバーの最近発言でも明らかなように、FRBがハト派転換できず、またハト派転換に消極的に見えるからのようです。
昨日、ベージュブックが公開され、ここ最近の米経済データを裏付け、米経済の勢いが失速していることが示唆されました。しかし米経済は、高金利を維持しているにもかかわらず、ユーロ圏に比べると依然として極めて好調です。ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁とダラス連銀ローガン総裁が本日講演を予定しており、特に明日の重要な米PCE指数を控えて、両氏ともにハト派となる可能性は低いと見られています。
株式指数とゴールドはともに下落
一方で、主要欧州指数に牽引され、株式指数は圧力を受け続けています。好調な企業の決算報告を受けての利益確定と、FRBによる金利の「より高く、より長く」との姿勢維持が、株式市場の低調の要因となっている可能性があり、特に米経済データが軟調に推移しない限り、FRBは12月まで金利を据え置かざるを得ないと市場は確信し始めています。
この市場の懸念にもかかわらず、米ドル上昇でゴールドが下落しました。今後ゴールドが回復するかはまだ未定ですが、現時点では、2,300ドル台を順調に上回っています。2023年10月の安値以来のゴールドのラリーを加速させている価格に敏感な買い手は、新規買収に注視している可能性があります。
7月の総選挙からポンドは恩恵か
7月の総選挙に向けて選挙活動が活発化する中、ポンドはユーロに対して、2008年8月以来の 高値で取引されました。英経済が直面する問題を鑑みると、7月4日の総選挙のため、夏にはイングランド銀行による利下げが行われない可能性があることから、ポンドのサポートとなるかもしれません。そうは言っても、FTSE100指数は過去3週間で3%ほど下落しており、2024年の全体的なパフォーマンスとしては低調と言えます。本日の焦点は、イングランド銀行のベイリー総裁による講演で、特に差し迫った選挙の経済的な影響についての発言が注目となるでしょう。
ドイツのCPI指数は加速も来週のECBによる利下げはほぼ確実
昨日、ドイツの各州によるCPI指数が 上昇し、5月の総合CPI指数は5か月ぶりにインフレ圧力が小幅加速することが明らかになりました。フランスやイタリアといった残りの主要国からのサプライズがなければ、金曜日のユーロ圏のCPI指数は、予想よりも市場を動かす結果にはならないでしょう。来週のECBによる利下げはほぼ完全に織り込まれており、現在の焦点は2011年以来初めて、連続利下げが行われるかとなっています。
日曜日にOPECプラス会議
最近の原油価格が話題となっている中、OPECプラスは日曜日にバーチャル会合を開催する予定です。減産計画の延長への合意は、現時点では最も容易な結果にみえるため、おそらく保証されています。コンプライアンスは依然として重要な問題ですが、原油価格が高止まりしている限り、主なOPECプラスの国々は見て見ぬふりをする用意があるでしょう。