マーケットコメントーFRBメンバーの発言続く中、米ドルに圧力

投稿日: 2024年5月22日18時15分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・本日はFOMC会合議事録公開に注目
・英CPI指数は強弱まちまちで6月での利下げの可能性低下
・NZ中銀は本日の政策会合にてタカ派維持でNZドル上昇
・本日の米市場閉場後エヌビディアによる決算報告

米ドルは引き続き下落基調

今週は重要な経済イベントの少ない週のため、市場の注目は、FRBのブラックアウト期間を控えて、多くのFRBメンバーによる講演に向けられています。5月1日以降、FRBメンバーによる講演は35近くもあり、タカ派、ハト派ともにインフレ抑制への進展がないことを受け止めており、忍耐が必要であることを明らかにしています。

したがって、米国内の需要の強さと、米経済の軟調さの程度を見極めるには、まだ時間とデータが必要となります。そうは言っても、FRBタカ派は、現在の金利の引き締め具合に懸念を表しているように見え、利上げの可能性を払拭したパウエル議長に反発して、ますます態度を強化しています。

5月1日のFOMC会合での議事録が本日公開となり、追加利上げに関して注目材料となるでしょう。市場は利上げの可能性に関する発言を好意的には受け止めないため、本日もタカ派発言を注視することになるでしょう。

英CPI指数低下もインフレ圧力は根強く

イングランド銀行ベイリー総裁が4月の英インフレレポートの重要性を強調する中、インフレがどれほど減速したかへの憶測が飛び交っていました。実際、本日の発表にて、総合インフレ指数は、前月比3.4%から2.3%に低下しました。しかし、食品とエネルギー費、アルコールとタバコを除いたコア指数は大幅緩和の期待に反して3.9%となったことから、ハト派にとってもおそらく期待外れの結果となったと思われます。

全体のインフレトレンドは、依然として弱気ですが、イングランド銀行による利下げは、市場が期待しているほど差し迫ってはいないと見られます。強弱まちまちのインフレレポートによって、本日のポンドはユーロと米ドルに対して上昇しており、現在の焦点は明日の英PMI速報値と金曜日の英小売売上高になっています。

NZ中銀は本日の政策会合にてタカ派姿勢

本日のサプライズは、NZ中銀による金利政策会合決定となりました。今年3度目となる政策会合では、アナリストも市場もやや不意を突かれた形となりました。オア総裁らは、ここ最近のタカ派姿勢を維持し、インフレ率が妥当な期間内に目標に戻ることが確認されるまで、制限的なレベルで維持される必要があるとの声明を繰り返しました。さらに重要なことは、今回の会合にて、委員会が利上げの可能性についても話し合ったことです。

本日、NZ中銀が発表した金融政策声明にもタカ派姿勢が維持されました。四半期予測のインフレ予測は、2026年6月までにNZ中銀の目標レンジの中間点である2%に到達すると上方修正され、2月に想定された時期よりも2四半期先延ばしされました。NZドルは当初、米ドルに対して0.6092台が強力なサポートレベルと機能して上昇しました。しかし、オア総裁が記者会見にて、タカ派姿勢を緩和させたため、NZドルの上昇分の一部は返還されました。

エヌビディアによる決算報告は本日の米市場閉場後

今四半期の企業による決算報告は終焉を迎えていますが、最後に重要な企業の報告が控えています。エヌビディアは本日の閉場後、第1四半期の決算報告を予定しています。収益の大幅な効果と粗利益率の最高値更新への期待が高まっていますが、市場はAIの最前線に関するコメントに特に注目するでしょう。